研究課題/領域番号 |
17310128
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
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研究分担者 |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00362616)
田中 克典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00403098)
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キーワード | 自然免疫 / 免疫増強 / 複合糖質 / リポ多糖 / ペプチドグリカン / 受容体 |
研究概要 |
寄生菌として、胃に寄生することでよく知られているHelicobacter pylori菌と歯周病菌Porphyromonas gingivalisに着目し、それらのリピドAならびにリピドAに酸性糖であるKdoが結合したリポ多糖部分構造の合成について検討した。 ペプチドグリカンはN-アセチルグルコサミンとムラミン酸が交互に結合した糖鎖が網目状に架橋された巨大分子である。ペプチドグリカンを認識する一連のタンパク質群の機能や相互作用を解析するために、ペプチドグリカン部分構造や複合体形成のための官能基を導入した部分構造の合成を昨年度に引き続いて行った。特にグリカン鎖がペプチドで架橋された部分構造の合成に成功した。一方、グラム陰性菌やBacillus属のペプチドグリカンに特徴的なアミノ酸としてmeso-diaminopimelicacid (DAP)があるが、我々はすでにその効率的な合成法を確立しており、本年度はDAPを含む様々なペプチドグリカン部分構造を合成った。百日咳の毒素として知られているtracheal cytotoxin (TCT)はアンヒドロムラミン酸を含む2糖にDAP含有テトラペプチドが結合した特異な構造を有しているが、本研究ではその初めての全合成に成功し、さらに種々の類縁構造を合成した。 合成したペプチドグリカン部分構造を用いて、受容体Nod1、Nod2との相互作用解析を行った。その結果Nod1,Nod2はペプチドグリカンそのものを認識するのではなく、生体内で分解された様々な部分構造を認識することを明らかにした。
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