研究課題
(1)カルコン合成酵素関連タンパクの機能解析と、ポリケタイド化合物ライブラリーの創成。酵素的に生成することのできたヘプタケタイド、ペンタケタイドは薬用植物成分としては生合成中間体として微量含まれていることは知られていたが、今回の結果から生理活性を検討するに必要な量を、分子生物学と生物有機化学を組み合わせた手法によって確保できる見通しが立った。このような酵素をコードする遺伝子を確保できたことは世界的に見ても例がない。中でもオクタケタイドについては放線菌を除き、高等植物由来のものとしては初めてのものである。植物クロモン類の骨格が抗アレルギー薬として数多くリード化合物となってきたが、ピロン環に置換する直鎖アルキル鎖を単純に延長することを酵素的に行なうことには困難のあることが窺われた。しかし有機化学的に困難な各種鎖長を有するポリケトメチレン鎖を作り分けることができた。(2)トリテルペン合成酵素由来非天然型新規環状ポリプレノイド創製スクアレン(C30=C15+C15)のアナログとして、ファルネソールやゲラニルゲラニルオールを原料としてカップリング反応を行い、非天然型のC35(=C15+C20),C40(=C20+C20)など、一連のポリプレンを合成する。芳香環部分を有するプレニルアレンについても合成を検討し、下記のスクアレン閉環酵素による変換を行った。(3)プレニル転移酵素を用いた非天然型化合物の生成ムラサキの4-ヒドロキシ安息香酸のゲラニル転移酵素遺伝子の配列とシロイヌナズナのプレニル転移酵素遺伝子において共通に保存されている領域の配列を用い、カンゾウ、クワ、ユーカリのプレニル化酵素遺伝子ファミリーの網羅的単離を行う。得られた遺伝子はRACE法によって全長cDNAを得、遺伝子の機能は酵母のCoq2欠損株を用いて調べる。酵素活性を検討するうえでジメチルアリルジリン酸、ゲラニルジリン酸、ファルネシルジリン酸を合成し基質の受容性を検討した。
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