研究課題/領域番号 |
17310130
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
野口 博司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60126141)
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研究分担者 |
阿部 郁郎 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40305496)
梅原 薫 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (40185070)
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キーワード | chalcone synthase / Hopene synthase / polyketide / squalene / Rheum palmatum / aloesone / triterpene / flavonoid |
研究概要 |
1)カルコン合成酵素関連タンパクの機能解析と、ポリケタイド化合物ライブラリーの創成。植物ポリケタイド合成酵素の鍵となる活性中心のアミノ酸残基1〜3個置換することによりオクタケタイド・ヘプタケタイド、ペンタケタイドを作り分けることができるようになった。中でもオクタケタイドについては放線菌を除き、高等植物由来のものとしては初めて縮合環系に近づくことができた。植物クロモン類の骨格が抗アレルギー薬として数多くリード化合物となってきたが、ピロン環に置換する直鎖アルキル鎖を単純に延長することを酵素的に行なうことには困難のあることが窺われた。しかし有機化学的に困難な各種鎖長を有するポリケトメチレン鎖を作り分けることができた。またアントラニルCoAを基質として、ベンザルアセトン合成酵素遺伝子のコードする酵素タンパクを用いて86%の収率で生理活性キノリノンアルカロイド(4-ヒドロキシ-2-キノリノン)の工学的生成に成功した。また同酵素のアミノ酸残基入れ替えに基づく機能改変には既に成功し報告済みである。鎮咳薬(せきどめ)であったり、抗痙攣薬であったり、脳代謝賦活薬と考えられるNMDA拮抗薬はこのキノリノン誘導体があり、天然からも鎮痙鎮痛鎮吐作用などのある化合物が単離されている。従って本酵素遺伝子の検討は新規な様々な精神作用を有する化合物を開発するうえで有望である。ペンタケタイドクロモン合成酵素の結晶化とX線解析に成功した。 (2)トリテルペン合成酵素由来非天然型新規環状ポリプレノイド創製ゲラニオールを出発物質としてC_<20>ユニット(=C_<15>+C_5)を合成し、インドールやピロールなど含窒素ヘテロ芳香環とカップリング反応を行うことにより、一連の人工基質を合成し、ゲラニルゲラニオールを用い、同様に反応を行い、イソプレンユニットの結合パターンが閉環反応に及ぼす影響について検討を行ったところ、5環性閉環生成物と4環性生成物および3環性生成物が得られた。微生物由来スクアレン環化酵素が示す広範な基質特異性と触媒能のポテンシャルには、新規基質アナログや、組換え体の作成を組み合わせていくことで、分子多様性と生物活性を備えた「超天然型」化合物ライブラリーの構築が可能となると期待される。
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