研究課題/領域番号 |
17310136
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岩崎 望 高知大学, 総合研究センター海洋生物研究教育施設, 助教授 (20193724)
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研究分担者 |
鈴木 知彦 高知大学, 理学部, 教授 (60145109)
荻 慎一郎 高知大学, 人文学部, 教授 (60143070)
田村 安興 高知大学, 人文学部, 教授 (60163698)
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 教授 (60113429)
長谷川 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90253335)
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キーワード | 海洋生態 / 八放サンゴ / 経済史 / 生物資源保全 / 生き物文化誌 / 国際研究者交流 / イタリア:台湾 |
研究概要 |
1、日本産宝石サンゴの主要漁獲地である高知県室戸及び足摺海域において、定期的に生息環境の調査と生物相の調査を行った。また、長崎県五島、中国海南島、インド、チュニジアでサンゴ漁の現状と経済及び交易に関する調査と資料収集を行った。さらに、イタリアに於いて珊瑚加工に関する調査を行った。 2、宝石サンゴの成長速度を明らかにするために、タンデム加速器による放射性炭素年代測定を行った。その結果、小笠原産深海サンゴと室戸産シロサンゴはそれぞれ平均2300yrBP(n=6)および770yrBP(n=2)の年代値を示した。また、ムチカラマツ(花虫綱ツノサンゴ目)を飼育することで成長を解析した。その結果、平均伸長率は0.17cm/monthであり、骨軸の成長線は月0.2〜1本形成され、成長線は年輪ではないことが明らかになった。 3、前年度の成果でICPAESを用いた宝石サンゴ骨軸の微量元素組成分析により産地を同定することが可能になったため、非破壊分析による産地同定を試みた。蛍光X線解析装置を用い産地同定に必要な、Mg/Ca比とBa/Ca比を測定した結果、Baの分析感度が低く産地同定にまで至らなかった。しかし、宝石珊瑚、造礁サンゴ、宝石珊瑚紛い物(ウミタケ、ガラス)など判別は可能であった。今後、非破壊分析法による産地同定法を確立し、宝石サンゴ類の流通経路を明らかにする。 4、宝石サンゴの分類の再検討を外部形態、骨片の形態と組成、ミトコンドリアs-rRNA遺伝子を用いて行った。
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