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2005 年度 実績報告書

米国ラティーノ社会における階層分化の進行とエンパワーメントの史的展開

研究課題

研究課題/領域番号 17310149
研究機関南山大学

研究代表者

牛田 千鶴  南山大学, 外国語学部, 助教授 (40319413)

研究分担者 中川 正紀  フェリス女学院大学, 文学部, 助教授 (70295880)
小池 康弘  愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (40244537)
キーワード階層分化 / アイデンティティ / 「文化の政治」 / エスニシティ / 政治意識 / バイリンガル教育 / バリオロジー(barriology) / ラティーノ / ヒスパニック / チカーノ
研究概要

各自の関心および専門分野に即して、まずはラティーノに関する著作を渉猟し、基本知識と研究史について概観した。また二度にわたる研究会を通じて互いにその成果を共有し、それぞれに現地調査も実施した。牛田は、「イングリッシュ・プラス政策」を推進するニューメキシコ州の事例を中心として、現地での聞き取り調査および一次資料の収集を行った。中川は、カリフォルニア州におけるラティーノの階層分化と政治意識の変化に関する研究をロサンジェルスとサンフランシスコの比較対照に絞り、集住地区への訪問ならびに研究機関の専門家との意見交換を行った。小池は、フロリダ州のキューバ系と西南部諸州のメキシコ系の人々の政治意識の差異を探るため、メールによる聞き取り調査や現地調査を行った。
2005年5月に労働者階級出身のメキシコ系ロサンジェルス市長ビジャライゴサが誕生したが、ラティーノ以外の人種にも配慮した政治、また富裕層と貧困層の双方を満足させるような政治が今後展開されることが予想される。ラティーノにおいても階層分化が進展し、貧困層が数多く暮らす都心部から郊外へと移住する中流層が増えつつある。一方、サンフランシスコやサンタフェなどでは、住宅不足が深刻化し、市中心部にあり好条件のラティーノの旧来の集住地区の住民が、特に白人の準富裕層の移住に伴う開発や地価の上昇により、立ち退きの危機にさらされている。他方、壁画・ポスターをはじめとするコミュニティ芸術が昨今の政治的問題を取り上げることで、ラティーノ住民の一体化とアイデンティティ形成を図るための「文化の政治」現象も見られる。また、ラティーノ住民の中で社会経済的に上昇志向の者は、ラティーノ集住地区から富裕層居住地域に移住する傾向がある。今年度の研究で浮き彫りとなった様々な現状を基に、階層分化と住み分けが顕著になり始めたラティーノの政治意識の分化を探るべく、米国人一般にとっての政治的争点とラティーノに特有な政治的争点(移民、言語教育など)について、階層分化に伴い各争点への見方や関心度がどのように変化しているかを問うアンケート調査を実施し、今後の共同研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 図書 (1件)

  • [図書] アメリカのヒスパニック=ラティーノ社会を知るための55章2005

    • 著者名/発表者名
      大泉 光一, 牛島 万 編著
    • 総ページ数
      393
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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