研究課題/領域番号 |
17320004
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田中 伸司 静岡大学, 人文学部, 教授 (50207099)
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研究分担者 |
千葉 恵 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30227326)
三浦 洋 北海道情報大学, 情報メディア学部, 助教授 (50396272)
中澤 務 関西大学, 文学部, 助教授 (10241283)
茶谷 直人 神戸大学, 大学院・文化学研究科, 助手 (00379330)
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キーワード | ギリシア哲学 / 魂 / プラトン / アリストテレス |
研究概要 |
本研究が目標とするものはつぎのことがらである。プラトンとアリストテレスにおける魂の定義、魂と身体の関係、魂に帰属される諸機能(たとえば思考、感覚、感情、信念、欲望、表象はいかなるものでありそしてそれは身体器官とどのような仕方で関わるのか)を解明し、魂の不滅性について理解を深め、プラトンとアリストテレスにおける同意点と論争点を、それぞれの現代的な意義に照らして明確なものとすることにある。研究の初年度として、テキストにそくした基礎的な研究とそれらを比較対照する研究との、二つの段階での研究を同時に遂行する形で行った。とりわけ、アリストテレス研究者としてつとに知られており、また本研究の海外研究協力者であるD・チャールズ教授の助力のもと、9月14日から16日の3日間にわたりオックスフォード大学オリエル学寮(ハリスルーム)において共同討議を行ったことは、本年のもっとも大きな成果であった。本年度の予算のほとんどがこの共同討議の準備・開催・まとめ等に使用された。共同討議にはプラトン『プロタゴラス』の注釈者であり古代哲学の快楽論の研究で有名なC・C・W・テイラー教授をコメンテイターに招き、本科研参加者がプラトンとアリストテレスのテキストをめぐる研究成果を発表した。5つの研究発表(田中:Afterthoughts - the Socratic Inquiry and the Egoism、中澤:The Structure of Plato's Protagoras、三浦:Psyche and Zoe in Aristotle's De Anima、茶谷:Summary and Several Comments : D.Charles, Aristotle's Psychological Theory, 2005、千葉:De Anima II 5 M.Burnyeat, Some comments and questions、以上発表順)が行われ、ギリシア哲学の魂論に関しての基本的な問題領域とその諸概念について、共通の了解を得ることができた。
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