研究課題/領域番号 |
17320015
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 正人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50183926)
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研究分担者 |
井狩 彌介 中部大学, 中部高等学術研究所, 客員教授 (40142012)
梶原 三恵子 京都大学, 文学研究科, 非常勤講師
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キーワード | ヴェーダ / サンスクリット / インド / 南アジア / 写本 / ジャイミニーヤ派 / ヴァードゥーラ派 / パイッパラーダ派 |
研究概要 |
ヴェーダ文献伝承を広範囲にしかも集約的に研究するために国際的な共同研究プロジェクトを組織した。研究分担者のほかに、アスコ・パルポラ(ヘルシンキ大学名誉教授)とミハエル・ヴィッツェル(ハーヴァード大学教授)が、海外研究協力者として本研究に参加した。平成17年度の研究実績は以下のとおりである。 藤井とパルポラは、両人がこれまでに入手した大量のジャイミニーヤ派サーマヴェーダ写本を分析し、ジャイミニーヤ派文献目録の整備を行なった。2006年2月に、南インドにおいてジャイミニーヤ派の文献伝承の追跡調査を行ない、新たなジャイミニーヤ派の伝承を確認するとともに、多くの新写本の撮影を行なった。特に、タミルナードゥ州中部のカーヴェリ川流域に点在するジャイミニーヤ派家系をあまねく調査して、この地域のジャイミニーヤ派の伝承実態を記録した。また、カルナータカ州南部のメルコテ村で、900年前にラーマーヌジャとともにタミルナードゥから移住してきたとされるジャイミニーヤ派家系が、部分的に独自のサーマヴェーダ伝承を保持していることを確認した。 井狩と梶原は、井狩が入手したヴァードゥーラ派ヤジュルヴェーダの諸写本を精査して、ヴァードゥーラ派文献伝承の総体を記録するとともに、特にシュラウタ・スートラとグリヒヤ・スートラについて、それぞれ王権儀礼と入門儀礼を中心に研究を進めた。 ヴィッツェルは、カシュミールとオリッサ両地域のパイッパラーダ派アタルヴァヴェーダ文献伝承の研究を続行するとともに、ヴェーダ諸学派の地理的な分布と移動についての研究を進展させた。また、ヴェーダ期からポスト・ヴェーダ期にいたる古代インド史における国家の成立に関する研究に従事し、成果の一端を研究会で報告した。
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