研究分担者 |
高橋 尚夫 大正大学, 人間学部, 教授 (90297078)
栗山 秀純 大正大学, 人間学部, 教授 (50146958)
多田 孝正 大正大学, 人間学部, 教授 (20188246)
渡辺 章悟 東洋大学, 文学部, 教授 (50277349)
佐久間 秀範 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (90225839)
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研究概要 |
『維摩経』は中国や日本において研究が続けられ,種々の註釈書や研究書が存在し、佛教美術にも多大な影響を与えてきた文献である。2004年に大正大学綜合佛教研究所より「梵蔵漢対照『維摩経』」が出版されるまでは、『維摩経』は主に漢訳及びチベット訳によって知られているだけで梵文原文については現存していないと考えられ,一部の文献に貧用されるものによって知られるのみであった。「梵蔵漢対照『維摩経』」の出版以降、新しい『維摩経』研究の基礎資料となる『維摩経』梵文原典校訂テキストの作成をすすめてきた。本研究では中国・日本・佛教美術等に広がる『維摩経』の思想や文化を理解するためには,梵文原典校訂テキストの出版が急務となり,本年中に完成させた。校訂テキスト出版をもって、新たに梵文『維摩経』を含めた総合的な研究が可能となった。 本研究の第一の成果としての梵文『維摩経』校訂テキストの作成については梵文写本の明らかな誤りについては訂正し,チベット訳や漢訳諸本との比較によって補うべき箇所は補ったが,梵文写本の特徴的な読みをできる限り尊重しながら校訂テキストを作成した。 平成17年7月に第1回共同研究者会議を行い、その際、共同研究者による総合的研究を行うための研究方針についての検討が行われた。 平成18年3月には第2回共同研究者会議で梵本研究を中心とした発表が行われた。梵文校訂テキストの出版にあたり,研究協力者によって校訂テキストの作成過程にあらわれた『維摩経』梵文写本の筆写等に関わる問題点と校訂に際しての問題点,梵文原文と蔵漢諸訳との関係について研究発表が行われた。 次年度は中国系研究者による研究発表を予定している。
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