研究課題/領域番号 |
17320016
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
多田 孝文 大正大学, 人間学部, 教授 (50054656)
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研究分担者 |
高橋 尚夫 大正大学, 人間学部, 教授 (90297078)
小峰 彌彦 大正大学, 人間学部, 教授 (80297077)
多田 孝正 大正大学, 人間学部, 教授 (20188246)
佐久間 宗範 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (90225839)
丸井 浩 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30229603)
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キーワード | 維摩経 / Vimalakirtinirdesa / 梵本写本 / 支謙 / 鳩摩羅什 / 玄奘 / 大乗仏教 / ポタラ宮 |
研究概要 |
『維摩経』は中国や日本において研究が続けられ,種々の註釈書や研究書が存在し、佛教美術にも多大な影響を与えてきた文献である。2004年に「梵蔵漢対照『維摩経』」が出版されるまでは、『維摩経』は主に漢訳及びチベット訳によって知られているだけで梵文原文については現存していないと考えられ、一部の文献に引用されるものによって知られるのみであった。本研究では中国・日本・佛教美術等に広がる『維摩経』の思想や文化を理解にするにあたり、新しい『維摩経』研究の基礎資料となる『維摩経』梵文原典校訂テキストの作成・出版とともに、『維摩経』の総合的な研究を行う。 本年度は平成18年9月に開催された、日本印度学仏教学界公開パネルディスカッション講演録の出版作業を進めることを柱として、全体的にはその校正作業に重点を置いた。また全体会議において、当研究会インド部門の米澤嘉康・長島潤道の両氏が梵文校訂に関する研究発表を行った。目的は、当研究会に関連して出版された『梵本維摩経』(2006)出版後の研究動向の調査のためである。 米澤氏は大正大学『維摩経』テキストにおける文献学的特徴とそれに準拠して進められた諸研究の比較調査を行い、パワーポイントによって写本画像を鮮明に示しつつ、当写本が読みを尊重するテキストであることが再確認された。長島氏は、最近発表された岩松浅夫氏の三論文に関する語義解釈および訳文の再検討を行い、1・7章の偈頌の申1-6、1-7、7-2の三偈について詳細な考究を進め、テキストの進展が見られたわけである。また、本年度の研究成果の一部として、当研究会中国部門の坂本廣博氏が雑誌論文へ寄稿(下記参照)している。
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