研究課題
本年度については6月、9月、11月と、3回の打合せ会を含めた会合を持ち、演劇史、美術史、音楽史、建築史、文化資源学等の多様な領域の研究者が参加しているため、各学問領域での研究状況についての共通的な理解を深め、今後の共同研究の方針をより具体的、実際的にすることに努めた。研究会においては、積極的に専門的な助言を得るようにして、さまざまな角度からの検討が可能となるように取り組んだ。9月の研究会には、カリフォルニア大学アーヴァイン校教授バート・ウィンザー氏が、ちょうど大規模な回顧展が開催されたイサム・ノグチの舞台美術について、また早稲田大学客員教授國吉和子氏が近代舞踊の研究状況に関連して、さらに清水玲子氏が近代の能と美術家について、それぞれ話題を提供し、活発な議論が行われた。11月の研究会においては、早稲田大学非常勤講師坂本麻衣が、近代洋画家(とくに白馬会系の洋画家)と舞台美術との関係について、別府市美術館本山薫氏が、萬鉄五郎と「モンナ・ヴァンナ」の舞台装置について、さらに別府大学助教授安松みゆき氏が第一次世界大戦中に大分の収容所にいたフリッツ・ルンプの演劇活動について話題を提供した。この研究会においても、多様な視点からの考察が加えられた。本年度の研究会を通じて、本研究においては、領域横断的な研究対象であることをつねに意識したアプローチをとる必要があることが痛感されたので、次年度における活動においても、このことを心がけ、研究会等を行う予定である。
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文芸研究 98号
ページ: 53-78
演劇学論集 43号
ページ: 3-14
ページ: 209-233
講座 日本美術史 6巻
ページ: 45-77