研究課題
本年度については6月、9月、12月と、3回の打合せ会を含めた会合を持った。前年同様に、演劇史、美術史、音楽史、建築史、文化資源学等の多様な領域の研究者が参加しているため、各学問領域での研究状況についての共通的な理解を深め、今後の共同研究の方針をより具体的、実際的にすることに努めた。今年度も研究会においては、積極的に専門的な助言を得るようにして、さまざまな角度からの検討が可能となるように取り組んだ。6月には写真史の金子隆一氏による大正期から昭和初期にかけての堀野正雄による舞台写真とその撮影法の問題点について話題提供があった。ついで、9月の研究会では、研究分担者の井上理恵が和田精の舞台音楽について、伊藤真紀が大正デモクラ能について、木村理恵子が近代美術と舞踊との関係について、さらに町田市立国際版画美術館の滝沢恭司氏が伊藤喜朔や藤田巌らが参加した人形座について、それぞれ話題を提供し、いずれにおいても、活発な議論が行われた。12月の研究会においては、早稲田大学坪内逍遙記念博物館の中野正昭氏が村山知義・舟橋聖一らによって上演された三つの「トラストDE」をめぐる問題について、研究分担者武石みどりが山田耕筰の初期舞台音楽について、さらに筑波大学大学院生の西澤晴美氏が戦後の名舞台のひとつ「炎の人」に関わった美術家たちの共同作業による舞台装置について話題を提供した。本研究においては、領域横断的な研究対象であることをつねに意識したアプローチをとり、研究会等を行ってきた。研究分担者の話題提供が始まり、各自の研究成果を検討することになる。
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山本武夫展 美人画と舞台美術
ページ: 12-13
文化資源学 5
ページ: 11-25
聖徳大学研究紀要(人文学部) 18
ページ: 41-48