研究課題
イスラーム・ガラス研究に関しては、エジプト、8〜11世紀に年代付けられるラーヤ遺跡出土ガラスの実測、撮影、様式分類、雅楽分析などを行って、ガラスの総合的データベース作業化を昨年に引き続き、継続している。本年度は特に、8世紀の居住区出土のガラスに着目し、プレ・イスラーム時代からイスラーム時代への変化、および、ラーヤにおける初期イスラーム・ガラスの流入について、化学組成からパレスティナ製とエジプト製に峻別する作業を行い、成果を得た。また、他の遺跡の出土資料に関しても、パレスティナ地域の出土ガラスを発掘報告書から抽出する作業を行った。以土の、イスラーム・ガラスに関する成果に関しては、9月にベルギーのアントワープで開催された国際ガラス史学会において、真道がイスラーム・ガラスの基調講演として発表を行った。日本のガラス研究に関しては、古代・中世の漆芸・木工芸における象嵌材料としてのガラスの使用例について、遺物写真、修復記録、文献記録の収集、中尊寺金色堂の見学調査などを行った。また、鎌倉〜室町期の文献資料から「瑠璃」の語の用例を抽出する作業を行った。平安末期から鎌倉初期にかけての九州出土舎利容器、経筒の出土例をデータベース化する作業を開始した。イスラーム・ガラスと日本のガラスの比較研究としては、鉛ガラスに焦点をあて、エジプトのラーヤおよびワーディー・アットゥール修道院遺跡出土の鉛ガラスと中国、朝鮮、日本出土の鉛ガラスを比較し、同系列の組成、様式ではないことを明らかとした。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (5件)
Archaeological Survey of the Raya/al-□□r Area on the Sinai Peninsula, Egypt, 2005 and 2006,(ed. by Mutsuo KAWATOKO)
ページ: 97-107
ibid.
ページ: 109-116
ページ: 1-96
ページ: 135-142
ページ: 143-152