研究課題/領域番号 |
17320038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中山 昭彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80261254)
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研究分担者 |
武田 雅哉 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40216908)
佐藤 淳二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30282544)
応 雄 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50322772)
押野 武志 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (70270030)
水溜 真由美 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00344531)
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キーワード | 女性表象 / 身体 / ジェンダー / 映画 / アニメーション / 漫画 / 小説 / ポストコロニアリズム |
研究概要 |
研究の初年度にあたる今年度は、研究計画に即した各分野ごとに基本的な資料収集につとめるとともに、月に1度の割合で研究経過の検討会を開き、次年度に計画しているシンポジウムを中心とした研究成果の公表と集約に向けて準備を行った。具体的な内容は以下の通りである。 1、日中仏の映画・漫画等の視覚的メディア、文学などの活字メディア、そしてその思想的基盤の三部門に分け、それぞれの領域での資料収集とその整理・分析、更に分析に基づく討議によって各領域の接点を探求した。 2、その成果の一部を、平成17年9月にウィーン大学で開催された第11回「ヨーロッパ国際学会」(ヨーロッパ日本研究協会主催)で発表した。具体的には中山昭彦がパネル「総力戦体制下における少年・少女表象」のディスカスタントとして全体を統括するとともに、戦時下における産児制限と女性表象の関係についてコメントし、一方、押野武志はパネル「戦前期の身体表象に関する研究」の発表者として、戦前期の文学作品にみられる女性身体、男性身体の分断表象の問題を考察した。 3、また1の討議を重ねた結果、日本の1930年代〜60年代に関する文学と映画の関係に関しては、この研究の核となる論点を明確化する目途がたったため、この成果は平成18年6月にフランス国立東洋言語文化研究所との共催シンポジウム「加工/仮構される身体-ロボット・女性表象・断片の政治学」で、発表する予定である(中山昭彦、佐藤淳二、水溜真由美が発表を行い、押野武志が総合司会、応雄が全体討論を統括するディスカスタントを務める)。 その主な論点は、たとえば映画におけるバストショットなど、女性の身体を断片化して表象することに関する政治性、つまり男性の視線や身体表象との非対称的な関係から生まれるイメージと、戦時体制や戦後における出産、英霊とその母の位置、工業的な増産体制、占領下における恋愛などの、主に日常的な実践との様々な関係に関する考察である。
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