研究課題
弘前市立図書館では津軽家文書の能楽資料、主に番組を中心に撮影を行なった。また、一千冊に及ぶ膨大な『弘前藩庁日記』については、今年度は江戸日記の江戸前期の分に焦点をあて、番組や能役者の動向を示す関連記事を抽出、コピーを行なった。今年度の調査冊数はすでに二百冊を超えるが、なおかなりの分量を残しており、次年度以降、引き続き調査を行なうものとする。秋田県立図書館では、佐竹家文書のうち、藩士の家譜・系譜資料の中から、能役者の分を抽出する作業を行なった。狂言の大蔵家の家譜など多くの収穫があったが、こちらも未だ全体の三分の一を見終えたに過ぎず、次年度に引き続いての調査を行なう。長岡市立図書館では、牧野家文書の能楽資料の残存状況を調査した。いくつかの資料に能役者の家譜などを見出せたが、主要な資料は現在牧野家個人の所有となっているとのことで、今後の調査に期したい。茨城県立歴史館では、一橋徳川家文書を中心に調査を行ない、宝生大夫と関わるいくつかの資料、能面・装束の目録など、多くの資料について写真撮影を行ない、合わせて、江戸後期から明治にいたる『御用日記』から能楽関連記事の抽出を行なった。本資料も大部なものであり、次年度も引き続き調査を行なう予定である。上越市立高田図書館では、榊原文書の藩政日記を調査。今回は村上藩のものを中心に能楽関係記事の抽出を行なった。
すべて 2005
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大阪学院大学国際学論集 16-1
ページ: 91-121