研究課題
1.本研究は、基盤研究「フランス第二帝政下における都市の変容と文学・芸術」(平成14年度〜平成17年度)の進展を踏まえ、その最終年度に「重複応募の制限の特例」として新規に始められたものである。研究第一年目の本年は、まず前研究の総括を行ない、その成果は平成18年3月に研究成果報告書としてまとめられた。この報告書には、石井、鈴木、工藤が執筆した。石井はロートレアモンとボードレールの詩篇に見られる第二帝政期パリの表象を分析し、鈴木はボードレールとドラクロワにおける想像力・ミメシスの概念の比較を行なった。また工藤は『感情教育』における足のフェティシズムについて論じた。2.8月に鈴木、9月に石井が渡仏し、フランス国立図書館、ソルボンヌ大学図書館等で第三共和制に関する資料の調査にあたった。「第三共和制下における19世紀文学の受容とその政治性」を担当する鈴木は、フランス国立図書館で、第三共和制下の政治・文学関係の新聞、雑誌を主として渉猟した。とりわけ文学批評家として知られるモーリス・ブランショがこの時期に様々な雑誌や新聞に掲載した論考を調べ、彼の政治的姿勢と文学的発言の関連を理解する手がかりとなる、数多くの資料を入手することができた。石井は主としてフランス国立図書館において第三共和制下における第二帝政時代の文学・芸術の受容に関する資料調査を行ない、これも大きな成果を得ることができた。3.このほか、各研究分担者は各自のテーマに沿って資料を収集し、成果を論文等の形で発表した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
フランス第二帝政における都市の変容と文学・芸術
ページ: 71-80
ページ: 25-36
Translation, Biopolitics, Colonial Difference, Traces 4 (Hong Kong University Press)
ページ: 211-233
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La Litterature Maldoror, Actes du Septieme Colloqueinternational sur Lautreamont, Cahiers Lautreamont LXXI-LXXII
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マリアとマリアンヌ-宗教社会学としての『ルルド』(藤原書店)
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