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2007 年度 実績報告書

ソヴィエト全体主義における文化と政治権力の相克および共生に関する超域・横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17320047
研究機関東京外国語大学

研究代表者

亀山 郁夫  東京外国語大学, 学長 (00122359)

研究分担者 沼野 充義  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
塩川 伸明  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70126077)
高橋 清治  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30126106)
望月 哲男  北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
桑野 隆  早稲田大学, 教育学部, 教授 (90143677)
キーワード全体主義 / スターリン時代 / ユーラシア主義 / 全一性 / 唯物論 / 二枚舌 / ショスタコーヴィチ / 雪解け
研究概要

基盤研究(B)「ソヴィエト全体主義における文化と政治権力の相克および共生に関する超域・横断的研究」(平成17-19年度)プロジェクトの最終年度にあたる平成19年度研究成果は、2008年2月16-17日に同志社大学(京都)にて行った研究報告会での3つの研究成果に示された。本研究発表会での課題は、過去3年間の議論において積み残されてきた領域を掬いあげるという方針をとり、時代スパンも大きく1917年から1953年までに設定し、哲学、思想、音楽の3つの領域にわたる報告を行った。そして、この3つの領域に対し、文学、芸術、歴史、政治などの専門研究者の意見を交差させることで、ソヴィエト全体主義の文化研究をめぐる越境横断的なエピステモロジーを構築するという当初の目的を果たすことができたと考える。とりわけ重要だったのは、渡邉雅司氏による一連のユーラシア主義研究であり、本研究報告会の目玉となった「ユーラシア主義への一つの視点」では、21世紀現代のロシアにおける政治と文化の特質を理解するきわめて本質的な問題の提示がなされた。とりわけ、ソヴィエト時代の全体主義を支えるメンタリティ「全一性」とは何かをめぐる報告は全体主義そのものの理解のいわば根幹にかかわるものであって、高い評価を得た。また、白井聡による「レーニンの唯物論の哲学史的位相」は、これまで本研究会で議論されることのなかったレーニン哲学の本質に迫るものであり、さらに、亀山郁夫による「ショスタコーヴィチの雪解け:『交響曲第12番』の謎を解く」は、スターリン時代の末期に生きた-芸術家の特異な精神状況を明らかにするもので、後者はとくに本プロジェクトがめざす次のステージを予告する内容の報告だった。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 「DSCH、または「歓喜」と「換気」の刻印-スタコーヴィチの交響曲第10番をめぐって」2008

    • 著者名/発表者名
      亀山郁夫
    • 雑誌名

      伊東、宮澤編『文化の透視法』、南雲堂フェニックス

      ページ: 403-413

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 「ともに」「さまざまな」声をだす:対話的能動性と距離2008

    • 著者名/発表者名
      桑野隆
    • 雑誌名

      質的心理学研究(日本質的心理学会) 7号(3月)

      ページ: 6-20

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Beyond the Empire: Images of Russia2008

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Mochizuki (ed.)
    • 雑誌名

      the Eurasian Cultural Context, Slavic Research Center (Sapporo)

      ページ: i-xiv,1-45

  • [雑誌論文] ソ連解体の最終局面-ゴルバチョフ・フォンド・アルヒーフの資料から2007

    • 著者名/発表者名
      塩川伸明
    • 雑誌名

      国家学会雑誌 120巻7/8号

      ページ: 86-146

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロシア革命90年を考える2007

    • 著者名/発表者名
      塩川伸明
    • 雑誌名

      ユーラシア研究 37号

      ページ: 3-8

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 魂の生成とユートピア探索の場としての小説-『未成年』覚書2007

    • 著者名/発表者名
      沼野充義
    • 雑誌名

      ユリイカ 39-13(2007年11月)

      ページ: 118-125

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 『罪と罰』の多義的な世界2007

    • 著者名/発表者名
      望月哲男
    • 雑誌名

      ユリイカ 39-13(2007年11月)

      ページ: 76-85

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ロシアの絵本の魅力:ロシア・アヴァンギャルドの残したもの2007

    • 著者名/発表者名
      桑野隆
    • 雑誌名

      グラフィケーション 150号(通巻339号)

      ページ: 17-19

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 現代ロシアのアヴァンギャルド作家50人2007

    • 著者名/発表者名
      鴻野わか菜
    • 雑誌名

      AVANGARD(アヴァンガルド) 4

      ページ: 13-68

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 国家の統合・分裂とシティズンシップ2007

    • 著者名/発表者名
      塩川伸明
    • 雑誌名

      法の再構築II・国際化と法(塩川伸明・中谷和弘編)東京大学出版会 有

      ページ: 83-124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 宇宙旅行の詩学-ソ連SFと政治イデオロギ-2007

    • 著者名/発表者名
      沼野充義
    • 雑誌名

      文学(岩波書店) 隔月刊8-4(2007年7・8月)

      ページ: 64-79

  • [学会発表] Utopicheskii voobrazhenie russkoi literatury2007

    • 著者名/発表者名
      沼野充義
    • 学会等名
      New Understanding of Russian Literature: History, Memory, Perspective
    • 発表場所
      ウォンジュ(韓国)土地記念館
    • 年月日
      2007-10-19
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] もっとも重厚にして最先端-ロシア文学紹介のフロントランナーとしての昇曙夢2007

    • 著者名/発表者名
      沼野充義
    • 学会等名
      昇曙夢没後50年を偲ぶシンポジウム
    • 発表場所
      奄美市名瀬
    • 年月日
      2007-05-19
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 悲劇のロシア2008

    • 著者名/発表者名
      亀山郁夫
    • 総ページ数
      6-181
    • 出版者
      NHK出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] ドストエフスキー謎とちから2008

    • 著者名/発表者名
      亀山郁夫
    • 総ページ数
      8-262
    • 出版者
      文藝春秋
  • [図書] 『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する2007

    • 著者名/発表者名
      亀山郁夫
    • 総ページ数
      8-227
    • 出版者
      光文社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 創像都市ペテルブルグ:歴史・科学・文化2007

    • 著者名/発表者名
      望月哲男(編著)
    • 総ページ数
      2663
    • 出版者
      北海道大学出版会
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] ロシアの連邦制と民族問題-多民族国家ソ連の興亡III2007

    • 著者名/発表者名
      塩川伸明
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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