研究課題
基盤研究(B)
基盤研究(B)「ソヴィエト全体主義における文化と政治権力の相克および共生に関する超域・横断的研究」(平成17-19年度)は、ソヴィエトの文学、芸術、宗教、歴史、政治学などのさまざまな分野に携わる専門研究者の意見や主張を交差させることで、スターリン時代の総合的なイメージと超域横断的なエピステモロジーを構築しようとするこれまでにも前例のない試みであり、それが十分に実りある成果を得たことは、本研究の報告書にも十分に見て取ることができると信じている。なかでも、特筆すべき点は、2006年12月の終わりにこのプロジェクトの一環として開催されたドミートリー・ショスタコーヴィチ生誕100年の国際シンポジウムであり、この成果は、「スラブ文化研究」第6号(2007)に詳しく報告されている。このプロジェクトで問題とされたのは、結局は、人文科学と社会科学の方法論および政治権力と創造的知識人の関係性をめぐる理解の決定的な落差だった。その典型例は、亀山郁夫の『大審問官スターリン』に対する塩川伸明の批判に現れたが、これこそは本プロジェクトの創造的な成果の一つとみなしてよい。なお、本プロジェクトの仕上げは、2008年2月の研究発表会にて行われ、過去3年間の議論において積み残されてきた領域を掬いあげるという方針をとりつつ、時代スパンも大きく1917年から1953年まで広げたが、とくに亀山が発表したショスタコーヴィチの交響曲10番に関する発表は、本プロジェクトがめざす次のステージを予告する内容の報告として評価された。
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