研究課題/領域番号 |
17320049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 大阪大学 (2007) 大阪外国語大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
市川 明 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00151465)
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研究分担者 |
大田 美佐子 神戸大学, 発達環境学研究科, 准教授 (40362751)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 独文学 / 演劇学 / 音楽学 / ブレヒト / クルト・ヴァイル / ハンス・アイスラー / 叙事詩的演劇 / 舞台音楽 |
研究概要 |
研究成果の報告書は3冊からなる。 1. 抒情詩への回帰--歌としてのブレヒトの詩 若きブレヒトがシンガーソングライターであったことを明らかにし、詩人、作曲家、歌手、演奏者、俳優、演出家という役割を合一したシンガーソングライターとしてのパフォーマンスが、ブレヒトの演劇創造のモデルになっていることを指摘した。ブレヒトの青年時代の詩が歌を想定して書かれたものであり、言葉のみを用いて書かれた詩と違うことを検証した。 2. ブレヒトにおける音楽と舞台 ブレヒトは私的な性格を持ちすぎた抒情詩から、演劇へとシフトしていくが、それ以降プロの作曲家との共同作業を始める。ヴァイル、アイスラー、デッサウなどとは台本と音楽がほぼ同時進行的に作られ、それぞれが互いの作品の最初の批判者であるという理想的な作業形態が作られた。舞台においてソングは哲学的平面を形成し、筋の先取りや注釈とともに教訓を与える役割を果たし、叙事詩的演劇に不可欠の要素であることを論証した。 3. ブレヒト上演台本集--言葉と音楽 四つのブレヒト作品の翻訳台本を載せ、日本の作曲家による音楽の楽譜を掲載した。テクストと音楽は同質の文化のコラボレーションと考えられてきたが、アジアなどの異文化圏では独自のメロディが必要なことを論証した。新しいブレヒトソングが舞台と音楽の関係を変えていることも、上演テクストから示した。
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