研究課題/領域番号 |
17320051
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大宮 勘一郎 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (40233267)
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研究分担者 |
和泉 雅人 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (40159801)
平田 栄一朗 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (00286600)
粂川 麻里生 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (00317504)
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キーワード | デジタル・メディア / 芸術批評 / 美学 / 翻訳 / 文化比較 / 大学論 |
研究概要 |
本研究は3ヵ年計画の初年度として、デジタル・メディアと旧来のアナログ・メディアとの出会い、そして後者から前者への歴史的移行という問題に重点を置いた。その際、ドイツ人文化研究者の講演会数回と、演出家、演劇評論家を招いてのシンポジウムを行い、意見交換に努めた。このうちオーストリア・グラーツ大学のディートマール・ゴルチュニッグ教授、ドイツ・マンハイム大学のヨッヘン・ヘーリシュ教授の講演会では、没後200年を迎えたフリードリヒ・シラーのデジタル・メディア時代における再検討の可能性について議論された。また、演劇評論家クラウス・デアムーツ、演出家ヴェルナー・フリッチュ、および研究分担者の平田栄一朗の3名によるシンポジウム「演劇とメディア」においては、一方でデジタル技術によって伝統的な地位を脅かされつつある演劇が、同じその技術を駆使しながら変貌しつつある様相が、舞台芸術に深く関わる三者によって紹介され、また論じられた。平田は自らも複数の劇団による欧米作品の日本語上演に関与しつつ、比較文学・文化的で実践的な視座から研究を行っている。同じく研究分担者の和泉雅人は、デジタル・アーカイヴに400年先立って知の網羅的システムを先駆的に構想した一七世紀の哲学者アタナシウス・キルヒャーに関する書物を上梓し、粂川麻里生は、デジタル時代におけるメディアとスポーツに関する比較文化的研究を続行中である。研究代表者大宮は、デジタル時代における美学と政治の関係を、ヴァルター・ベンヤミンの複製技術=芸術論を再検討しつつ考察した。また、技術の時代における大学のあり方を問う論考を継続的に執筆した。
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