研究課題
本研究は、現存する中国の戯曲文学のうちで最も早い時期のものであり、以後の中国近世戯曲史の展開の上で、大きな意味を持つ元代の雑劇についてさまざまな面からその特徴を明らかにすることを主たる目的としている。元代の雑劇には、性質の異なるテキストが存在するが、本研究はその最古層に属する『元刊雑劇三十種』本を研究対象として、テキスト全文の電子テキスト化に基づき、その語彙のデータベース構築ならびに詳細な校訂と訳注の作成を基礎作業とした上で、そのテキストとしての性格、明代に出版された他のテキストとの関係、散曲など元代文学の他ジャンルとの関係、さらには中国戯曲史に占めるその位置について解明しようとするものである。平成17年度は、テキスト全文の電子テキスト化とともに、三十種のうちの二種すなわち『李太白貶夜郎』、『岳孔目借鉄拐李還魂』について会読を行い、その校訂、訳注作成を進めるとともに、これまで作成済みであった、『漢高祖濯足気英布』、『関張双赴西蜀夢』の二作品についての成果を整理した上で、公表した。
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京都外国語大学 研究論叢LXVI
ページ: 1-25
京都府立大学学術報告 人文・社会 第57号
ページ: 1-64