研究課題/領域番号 |
17320061
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
斎藤 純男 東京学芸大学, 留学生センター, 教授 (10225740)
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研究分担者 |
菅野 裕臣 東京外国語大学, 名誉教授 (00911231)
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
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キーワード | ムカッディマト・アル・アダブ / モンゴル語 / チャガタイ語 / モンゴル語語彙データベース |
研究概要 |
本研究は、『ムカッディマト・アル・アダブ』の1写本におけるモンゴル語とチャガタイ語の言語学的研究である。 研究の第2年次においては、第1年次に引き続き、(1)資料の文献学的な研究、(2)モンゴル語とチャガタイ語の言語学的な分析、(3)モンゴル語語彙データのデータベース構築を継続した。 (1)としては、現在知られているウズベキスタンのものと同様の写本がロシア連邦にも存在している可能性があるため、現地で調査を行った。その結果、現在知り得るかぎり我々の文献が唯一のものであることを確認し、次年度の複製本作成の準備を整えた。 また、所蔵元の博物館において原本の綴じの誤りが訂正されるなどしたため、その写本の新たなデジタル画像を得た。 (2)については、チャガタイ語とモンゴル語とで異なった翻訳のやり方が採られている語彙を中心に考察し、その一部を「国際アルタイ学会」で発表した(ベルリン、2006年8月)。また、中期西部モンゴル語との比較を視野において同時代の東部モンゴル語の研究を行い、その成果の一部を「華夷訳語研究会」にて口頭発表を行った(東京、2006年7月)。これらはともに、2007年夏に出版される『東ユーラシア言語研究第2集』に論文として掲載予定である。東部モンゴル語に関する他の研究成果は論文として公刊した。さらに、ハングル文献のモンゴル語との比較の基礎として朝鮮語の音と文字、形態構造にっいて考察し、論文として公刊した。 (3)同資料におけるモンゴル語語彙のデータベースは、ほぼ完成した。(ただし、不明な語彙の同定作業の進展に伴い、修正を加える必要がある。)
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