研究概要 |
本研究は、『ムカッディマト・アル・アダブ』の1写本におけるモンゴル語とチャガタイ語の言語学的研究である。 研究の第3年次(最終年次)においては、(1)資料の文献学的な研究、(2)モンゴル語とチャガタイ語の言語学的な分析、(3)モンゴル語語彙データのデータベース構築を継続した。 (1)としては、写本所蔵元であるウズベキスタンの国立アリシェル・ナボイー文学博物館とタシュケント・イスラーム大学の専門家(研究協力者)によるこの文献についての解説文を付して、デジタル画像に基づいた1,000ページを超えるカラーのファクシミリを作成した。これにより、西部中期モンゴル語最大の文献の利用が可能になった。このファクシミリの公刊は、特にモンゴル語学史において特筆すべき出来事で、すでに国際的な注目を集めている。 (2)については、研究成果をいくつかの論文として雑誌に発表した。 (3)については、延べ語数約27,000のモンゴル語語彙データベースを作成した。この文献の性格上、特定できない語も多くあるが、それ以外はすべて検索できるようになった。各語にはページ番号、行番号、行内での文番号、文内での語番号、トランスリタレーション、トランスクリプション、対応のモンゴル文語の形態素、その他の情報が含まれている。 上記(1)と(3)により、アラビア字モンゴル語の本格的な研究の基礎が築かれたと言える。
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