研究課題
基盤研究(B)
ヒトの言語獲得を可能にする生得的機構には、こころの他の領域には見られない言語領域に固有の性質が含まれるという仮説、また、この領域固有であると考えられる生得的言語獲得機構は、その機能によって下位部門に区分されており、それぞれの下位部門も領域固有の性質を含むという仮説を、言語心理学的手法及び脳科学的手法(光トポグラフィー)を用いて、言語心理レベルと脳レベルの両面から検討することが、本研究の目的であった。平成17-19年度は、生得的言語知識の領域固有性について、成人被験者を対象にした実験により検証を行った。光トポグラフィーを用いた実験に用いる言語刺激とその提示方法、また脳の計測部位等について検討し、日本語の移動現象に関する実験を、成人被験者対象に行った。具体的には、先行研究においてfMRIを用いることにより得られた統語部門における操作の領域固有性に関する知見が、光トポグラフィーを用いても再現可能であることを検証した後、理論言語学における二つの対立する統語部門の操作に関する仮説の妥当性について、光トポグラフィーを用いた成人被験者を対象とした実験により検討を行った。そのことにより得られた研究成果は、国際学会において発表し、査読付き国際学術雑誌論文として刊行した。さらに平成19年度には、以上の成人を対象とした研究成果に基づき、幼児を対象とした実験を行った。予備実験を重ねたが、実験デザインを確立し有効な結果を得るところまでは至らなかった。しかし、今後の幼児を対象としたさらなる研究に向けて、実験デザインの改善点と、今後の見通しを立てることができたのは大きな成果であった。
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