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2007 年度 実績報告書

平仮名字体・書体の変容と印刷技術および出版メディアとの関係に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17320071
研究機関奈良女子大学

研究代表者

鈴木 広光  奈良女子大学, 文学部, 准教授 (70226546)

研究分担者 矢田 勉  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20262058)
キーワード平仮名 / 字体 / 書体 / 印刷技術 / 出版 / 文字史
研究概要

平成19年度は、平成17・18年度に行った画像研究支援ツール・イパレットネクサスを使用しての本文デジタル画像から切り出した平仮名印字データを整理、分析し、印刷技術・出版メディアと平仮名字体の変容との関係について総合的に考察した。
(1)研究代表者(鈴木)は、主に古活字版の印字データをもとに、以下の諸点を明らかにした。
(1)嵯峨本『伊勢物語』慶長13年再刊本の印字標本集を作成した。また、印字使用延べ数、活字種の数を明らかにするとともに、慶長13年初刊本の活字から襲用されたもの七割近くを占め、新彫の活字は三割程度にとどまること等を明らかにすることで、再刊本は新彫活字を主としているとする従来の通説を訂正した。
(2)論文「古活字版のタイポグラフィ」、著書(共著)『文字のデザイン、書体のフシギ』を執筆し、これらのなかで平仮名を活字に載せることの問題点を、連綿を旨とする文字の性質から論じた。また、多くの平仮名交り文の古活字版は活字規格の制約によって文字が均質化・画一化していく傾向にあるのに対して、嵯峨本のみが連綿仮名の自由闊達さを再現し得ていることを明らかにした。
(2)研究分担者(矢田)は、整版書体分析用の機能を追加したプログラムを用いて、近世整版本の前期と後期における平仮名字体、書体の変化の様相を比較分析した。その結果、後期の整版本には、字型の均一化、フォント化(定型化)、筆勢の消去が著しいことが明らかになった。この成果を論文「近世整版本における平仮名字形の変化」、「かな字母とその変遷」にまとめた。
(3)上記の成果をもとに、研究論文と嵯峨本『伊勢物語』慶長13年再刊本印字標本集から成る研究成果報告書を作成した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近世整版印刷書体における平仮名字形の変化2008

    • 著者名/発表者名
      矢田 勉
    • 雑誌名

      神戸大学文学部紀要 35

      ページ: 25-50

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 古活字版のタイポグラフィ2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木 広光
    • 雑誌名

      国文学八月臨時増刊号 文字のちから 52-10

      ページ: 48-56

  • [雑誌論文] かな字母とその変遷2007

    • 著者名/発表者名
      矢田 勉
    • 雑誌名

      国文学八月臨時増刊号 文字のちから 52-10

      ページ: 154-158

  • [学会発表] 開化の軋み 揺藍期の日本語タイポグラフィ2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木 広光
    • 学会等名
      名古屋大学国語国文学会春季大会シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-07-14
  • [図書] 文字のデザイン、書体のフシギ2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木 広光, 他(共著)
    • 総ページ数
      130-165
    • 出版者
      左右社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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