研究課題/領域番号 |
17320074
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松本 曜 神戸大学, 文学部, 教授 (40245303)
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研究分担者 |
西光 義弘 神戸大学, 文学部, 教授 (10031361)
窪園 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
岸本 秀樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (10234220)
PARUDESHI PRASHAN 神戸大学, 文学部, 講師 (00374984)
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キーワード | 日英語比較 / 言語類型論 / 移動表現 / 談話ストラテジー / 非対称性 / 主要部移動 / 複合動詞 |
研究概要 |
今年度は、国際ワークショップとしてTypology of the Descriptions of Motion Events(7月3日)、「言語類型論と日英語」講演会として、Dan Slobinカリフォルニア教授(7月2日)、Anvita Abbiジャワハルラル・ネール大学教授(8月12日)の講演会を開催し、言語類型論と日英比較に関する最新の動向を探り、各分野の研究への理解を深めた。 このほか、松本(意味論)は、移動表現の類型論に関して、使役移動を含めた幅広い考察に基づいてTalmyの類型論の再定式化を試みた。その成果を関西言語学会、Morphology & Lexicon Forum、東京大学COE研究会において発表した。西光(談話)は「言語対照シンポジウム-条件表現をめぐって-」(7月)において発表論文に対する講評を行なった。また4th Int'l School in Linguistic Typology and Anthropology(9月、アルメニア)において談話ストラテジーに関する招待講演を行い、日本語と英語の矛盾に対する敏感さの違いを実証的に示した。窪薗(音韻論)は、日本語の音韻構造にどのような非対称性が見られるか、また他の言語(英語、韓国語、ルーマニア語等)の非対称性現象との間にどのような異同が見られるか考察した。その結果、二重母音と考えられている[ai]と[au]の間に有標性の違いが見られ、その違いが諸言語に共通していることが明らかになった。来年度は、このような非対称性からみた言語類型の可能性を探る。岸本(形式統語論)は、主に統語的な移動(例えば主要部移動)により生成される単位と形態的な要請により生成される要素との違いについて研究を行った.その結果,少なくとも日本語のような膠着言語では,形態的な特徴と統語的な移動を結びつけるような必然性がないことを明らかにできた。Prashant(機能統語論)は、東アジア・南アジアの諸語における複合動詞を類型論的なアプローチから研究した。複合動詞の後項動詞に関して,同音の語彙的な動詞と多義性の関係にあると主張するButtの主張が正しくないことを2つの国際学会で主張した。
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