研究概要 |
5月に,研究分担者が集まり,教材作成の基本的なコンセプトについて,以下のように確認した。 (1)聞く,話す,読む,書くの4技能で,独立した教材にする。 総合教材の形は取らず,聞く,話す,読む,書くの4技能で,それぞれが独立した教材にする。 (2)文型から出発せず,実用的な揚面・機能から出発する。 テ形とか受身文といった形から出発せず,あくまでも学習者が日本語を使う必要に迫られそうな場面や機能から出発した教材にする。実際の会話や文章をあらゆる手段を使って推測し,自分の能力の範囲でできる限りコミュニケーションを成立させる能力が身に付くようなものにする。社会言語能力の説明も重視する。 (3)紙とCDだけでなく,パソコンを使ったマルチメディア教材にする。 できるだけパソコンを使ったマルチメディア教材にする。学習者にも漢字の手書きは求めず,パソコンで漢字を選べればよいということにする。辞書も,ネット上の辞書や電子辞書を使うのを標準にする。 (4)一斉授業で使うことを前提とせず,個別学習ができるものにする。 教師の指導による一斉授業を前提としないで,どこにいてもパソコンで自習できるものにする。学習者の母語も最大限,活用し,母語で説明できるものは母語で説明するようにする。 (5)最終的には,学習目的や母語などが違うさまざまな学習者に対応できるものにする。 最終的には,学習目的や周りの言語(方言)環境,学習者の母語などによって,学習する内容が自由に選べるようなものにする。 これを承けて,7〜8月に,さまざまな日本語教育現場で教える執筆協力者(約70名)を募り,4技能に配属した。技能別のメーリングリストを立ちあげ,意見交換を行った。 10月〜12月にかけて,技能ごとに打ち合わせの機会をもち,必要な基礎調査や具体的な作業手順などについて,意見交換を行った。 現在は,メーリングリストを通じた意見交換,および,作成した試作教材の改編作業を行っている。
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