研究課題/領域番号 |
17320080
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
カッケンブッシュ 寛子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (10204439)
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研究分担者 |
水田 澄子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (60303591)
梅田 康子 愛知大学, 現代中国学部, 助教授 (20387559)
鈴木 庸子 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (00216459)
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キーワード | 連想法 / 絵カード / イメージ / ストーリー / 韓国語母国語話者 / 高校生 / 学習効果 / 動機付け |
研究概要 |
<研究目的> 1.韓国人日本語学習者を対象とする、イメージ(視覚的媒介)とストーリー(言語的媒介)を使用した連想法によるひらがな学習教材(絵カード)とそれを用いた指導法を開発すること。 2.記憶実験により当該指導法の学習効果を測定した上で、既存の指導法と比較し検討すること。 <研究実績> 上記の研究目的に対し、平成18年度までに行った主要な研究実績は、次の通りである。 1.ひらがな学習教材の作成-1コマ50分の授業で、ひらがな46文字の読みができるようにするために必要な絵カード教材を作成した。また、その指導法を検討した。 2.韓国人の高校日本語教師(8人)による連想法を用いたひらがな指導の授業、および従来法によるひらがな指導の授業を、釜山市内および近郊の高校にて実施。参加した高校生日本語学習者数は約240人。その1ヶ月後、同一のテストを行った。 3連想法授業、および従来法授業における韓国人高校生のひらがなの学習効果の測定。その結果、連想法による50分の授業で、ひらがな46文字中40文字(87%)以上を記憶できた学習者が、108人中63人(58%)であった。また、実験群の平均点は37.9点(82%)、統制群は23.9点(52%)と、両群の平均値に有意差が見られた。文字別にみると、両群に差が見られなかった文字は「い」と「お」の2字だけで、これはもともとの字形の容易さに起因しているのではないかと思われる。しかし、1ヵ月後テストでは、その効果が薄れ、授業などで何も手当てが施されないと、連想法による直後の学習効果も薄れていくことがわかった。 4.実験授業後、絵カードを用いた指導法のマニュアルを作成するため、高校教員を交えた会合を重ねた。 5.連想法による指導法マニュアル試案が韓国語版と日本語版で一通り完成した。
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