研究分担者 |
堤 正典 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (80281450)
匹田 剛 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80241420)
臼山 利信 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 講師 (50323225)
山田 久就 小樽商科大学, 言語センター, 助教授 (60345246)
小林 潔 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (20350374)
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研究概要 |
初年度は各分野の研究体制固めに始まり,ソ連邦崩壊後のロシア語圏の変化と現状に対応した新しいロシア語教育文法構築の基礎となる研究・調査活動を本格的に開始した。具体的には,文法論分野においては,日英露語の対照言語学的観点からVendlerの動詞分類をロシア語教育文法に活用する方法,また語法の複雑・多様な数詞句の一致の問題を巡ってCorbettらの数詞の理論を援用することで教育的見地から有益な体系化が図られる可能性が見いだされた。一方,社会言語学分野については,当初の予想を上回る成果をあげることができた。旧東欧諸国のポーランドの学生・若者(ワルシャワ大学,ヤゲヴォ大学-計116名)を対象に,ロシア語・英語・母語(ポーランド語)の使用状況やそれらの言語に対する意識を探るアンケート調査を実施した。このほか,旧ソ連の中央アジア諸国であるウズベキスタン(タシケント国立東洋学大学,サマルカンド国立外国語大学-計129名),キルギスタン(キルギス国立大学,キルギス民族大学,ビシュケク人文大学,キルギス・ロシア・スラヴ大学,オシュ国立大学,イシククリ国立大学-計368名),カザフスタン(ユーラシア国立大学,カザフ民族大学,カザフ国際関係外国語大学-計106名),タジキスタン(タジク国立言語大学49名)において,学生を対象とした同様の社会言語学的調査を行った。調査結果の一部は,2006年2月18日にタシケント国立東洋学大学で開催された国際シンポジウム「文明のクロスロード-ことば・文化・社会の様相-」において,臼山利信が「旧ソ連地域における社会環境の変化とロシア語事情-ウズベキスタン共和国,キルギス共和国を中心として-」と題して口頭発表した。また,研究プロジェクト全体の取り組みとして『世界のロシア語2003』(ロシア連邦外務省報告書)の上巻(旧ソ連,ヨーロッパ,アメリカ諸国)を翻訳・刊行した。
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