研究課題
平成19年度及び20年度の研究実績は以下の通りである。1.歴史的空間意識の形成が、歴史認識に果たす役割についての基本視点の設定し、これを「東アジア世界における歴史空間概念の元型」と題する英文論文にまとめて、アメリカの学術雑誌から刊行した。2.イメージされた世界像として、歴史的世界地図の分析を行い、図像学的に分析した。3.日本中心型世界地図を歴史現象学に分析し、この世界像が日本人の歴史認識、特に世界史認識の規範形成に果たした役割の分析を行った。4.歴史的空間意識を世界各地の歴史的自己中心型イメージマップを中心に分析し、歴史的空間規範の形成プロセスを考察した。5.研究成果:下記のリストの通り論文・著書計3件を得た。中でも『史学雑誌:回顧と展望:2006年度の歴史学界』においては、本研究の根幹である歴史理論に関する研究代表者の全体構想を論じた。6.海外の研究者と、種々の国際学会で意見の交換を行い、学術的認識を深化させた。特に、イタリア・ユーロピアン大学研究所(フィレンツエ)で開催された国際会議では、グローバルヒストリーと歴史的空間認識の関係について討論を行い、ギリシャ・アテネ大学で開催された国際会議では、東アジア史における空間認識と空間概念の特質について討論した。また、中国・華東師範大学(上海)で開催された国際会議では、全球史と歴史的空間認識の関係について論じ、大阪大学において開催された国際会議では、グローバルヒストリーにおける地域空間概念の関係に関して、種々の意見交換を行った。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件)
史学雑誌:回顧と展望:2006年度の歴史学界 116巻5号
ページ: 6-10
History and Theory 46
ページ: 217-231
Anthony Pagden (ed.), Facing Each Other : the World's Perception of Europe and Europe's Perception of the World (Ashgate Publishing) vol. 2
ページ: 367-393