研究課題
本年度は、合計3回の研究会を開催した。その中で、前年度に引き続き大学・自治体等における公文書保存・管理の歴史につき研究を行った上で、国内外の評価・選別論の研究史をたどり、それらの批判的検討を行った。さらに、自治体公文書館のなかで最も先進的・組織的な文書管理を実践している神奈川県立公文書館を訪問し、そこで行われている文書の評価・選別につき見学および担当者よりのヒアリングを実施して、意見交換を行った。また、イギリス・グラスゴー大学のアーキヴィストと合同の研究会を開催し、日英の大学アーカイヴズの比較検討も行った。この他、研究分担者が自らの所属するそれぞれの大学アーカイヴズの現状と抱えている課題について報告を行い、大学アーカイヴズの実際の活動の中で評価・選別を如何に位置づけていくか議論を重ねた。このような研究を行う中で、われわれは国立大学アーカイヴズに求められる役割やその中心的業務について共通理解を得ることができた。その上で、効率的・集中的な文書管理を行うための前提条件である文書の評価・選別につき、各大学アーカイヴズの状況に応じた作業モデルを試作した。国・自治体レベルにおける文書管理の重要性が社会的関心を呼んでいる昨今、大学アーカイヴズに関するこのような研究は、大きな意味を持つものと期待される。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
小樽商科大学史紀要 第2号
ページ: 1・5
名古屋大学大学文書資料室紀要 第16号
ページ: 1・58
京都大学大学文書館研究紀要 第6号
ページ: 19・36