研究課題
本研究は、1999年に中国寧波で発見された北宋の令である『天聖令』の近い将来の全文公表に備えて、受け皿となる研究の体制を構築しておき、日唐律令制比較研究を新たな段階に進めることを目的としている。研究代表者と研究分担者計10名が3つの研究班組織を作って令の編目ごとに分担して検討し、さらに全員参加する形で研究会を行い、その成果を発表し検討した。今年度は、東京・名古屋・福岡で4回の研究会を開催し、その成果は『法制史研究』55号に掲載予定の辻・古瀬論文をはじめ、論文として公表されている。11月の東方学会全国会員総会では、研究代表者大津が組織責任者となって本研究参加者を中心メンバー(報告者坂上・大隅・三上、コメント辻・榎本)として「日中律令制研究の現状と課題」と題するシンポジウムを開き、最新の研究成果を広く学界に提示した。さらに大津は、研究費を利用して単行本『日唐律令制の財政構造』をまとめて、岩波書店より出版し、これまでの賦役令を中心とする律令制比較研究に関する論考をまとめたが、その中で序章「唐の律令と日本-日唐律令財政の比較」を新たに記して、日唐律令比較研究の現段階を研究史的に位置づけ、今後の課題も指摘している。また研究代表者は、北京において、中国社会科学院隋唐宋元史研究室のメンバーと研究打ち合わせを行い、現在同研究室が中心となって進めている『天聖令』の校訂と出版の準備状況について、情報を交換することができた。また研究分担者も上海・南京・洛陽などに学会や調査に赴き、中国の六朝・隋唐史研究者と意見や情報を交換し、学会の最新状況を把握するため努力している。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (18件) 図書 (3件)
法制史研究 55
ページ: 1-49
ページ: 51-79
古代中世の社会変動と宗教(義江彰夫編)(吉川弘文館)
ページ: 151-169
ページ: 236-257
山形大学歴史・地理・人類学論集 7(印刷中)
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ページ: 197-200
ページ: 200-202
お茶の水史学 12
ページ: 119-129
東亜伝統家礼・教育與国法(一)(高明士編)(台湾大学出版中心)
ページ: 309-320
日本古代史研究と史料(佐伯有清編)(青史出版)
An Introductory Bibliography for Japanese Studies XIV・2
ページ: 17-32
正倉院文書論集(西洋子・石上英一編)(青史出版)
ページ: 291-312
公家と武家の比較文明史(笠谷和比古編)(思文閣出版)
ページ: 263-282
文字と古代日本3 流通と文字(吉川弘文館)
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日本歴史 690
ページ: 98-100
東方学会報 89
ページ: 7-9
中国の歴史月報(講談社) 12
ページ: 4-8