研究課題/領域番号 |
17320098
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
小林 准士 島根大学, 法文学部, 助教授 (80294354)
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研究分担者 |
佐々木 愛 島根大学, 法文学部, 助教授 (00362905)
丸橋 充拓 島根大学, 法文学部, 助教授 (10325029)
相良 英輔 島根大学, 教育学部, 教授 (70124071)
本多 博之 県立広島大学, 人間科学部, 助教授 (30268669)
岩城 卓二 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (20232639)
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キーワード | 明代銀鉱業 / 石見石田家 / 銀山領のたたら製鉄 / 大森町の町人 |
研究概要 |
i)銀の流通に関する研究成果 ・明代における銀鉱業に関する中国の研究を踏まえ、日本銀が大量流入した明側の条件について検討した。明の版図には雲南以外に豊かな銀鉱脈が欠けていたこと、鉱山労働者は社会的な不穏分子として危険視されたことなどの条件があり、明国内で銀を自給する体制になかったことを明らかにした。 ・石見石田家文書や吉岡家文書などの分析を通じ、特に石田家が波積を本拠とし、船舶を駆使し経済活動を行う性格をもつ領主であり、戦国大名毛利氏の家臣団に編成され、温泉津小浜の厳島神社勧請に普請奉行として関与した事実などを新たに解明した。 ii)銀山周辺地域の歴史的特質に関する研究成果 ・熊谷家文書にある宗門人別改帳の検討の結果、邑智郡井戸谷村の栃野木鐘、同郡長藤村の源田山鍛冶屋、同郡川下村の瀬尻鐘などは、山内に10家族ほどの小規模鑛であることが分かった。 ・邑智郡美郷町中原家文書や江津市桜江町中村家文書の検討からは、二郷鐘・瀬尻鑑・長良鐘の経営には、江の川水運がたくみに利用されており、砂鉄や木炭の供給、製品の輸送がなされていたことが明らかにされた。 ・掛屋をはじめとする代官所の御用請負人は、大森町の町人であった。そこで大森町の運営に関し基礎的な研究を進めた結果、御用請負人らは大森町の町役人を務めることが多く、大森町の有力町人(重立衆)が町役人・御用請負人を務め、同町の運営を主導していたことを明らかにした。
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