研究課題/領域番号 |
17320109
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
曽田 三郎 広島大学, 大学院文学研究科, 教授 (40106779)
|
研究分担者 |
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
水羽 信男 広島大学, 大学院総合化学研究科, 助教授 (50229712)
丸田 孝志 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (70299288)
|
キーワード | 専制政治 / 立憲政治 / 行政システム |
研究概要 |
本研究の目的は、専制政治から立憲政治への移行の歴史を具体的な研究の対象どして、清末から中華人民共和国成立期までの中国近代政治史・政治論の再構成を図ることにある。本年度は研究の役割分担に基づいて、研究代表者である曽田三郎は、清末から中華民国初期にかけての憲法制定と憲政導入準備のための行政改革について資料の調査・収集と研究を進めた。特に注目すべき成果として指摘できることは、日本の政治指導者や法学者を媒介とした日本の明治憲政の影響について、具体的に明らかにできた点である。金子肇と水羽信男の役割分担は、北京政府期から国民政府期にかけての憲政・憲政論と行政システムの変容を研究することにあるが、金子は1920年代の地方行政の変容を江蘇省に焦点をあてて研究するとともに、国民党による憲攻実施構想にも展望を与えた。水羽は国民党統治から共産党統治への移行期における憲政論等に関する資料の収集と分析を進め、特に民主建国会の実像を明らかにした。丸田孝志の役割分担は、中国社会統合をめぐる国民党と共産党の比較研究にあるが、本年度は共産党の根拠地における社会統合に関する資料の収集と分析を進め、特に太行・太岳根拠地における追悼の儀礼を通した統合策について研究成果をあげた。こうした研究成果を国際的な水準から検討るために、中国の南開大学歴史学院で研究発表会を開催した。4人の研究参加者全員が研究成果の発表を行い、江沛教授をはじめとする同学院の6人の教授と30人余りの大学院生が討論に参加した。本年末には以上のような研究活動を整理するために研究打ち合わせ会を開き、研究代表者である曽田が中心になって相互の研究の調整を行い、また来年度の研究の推進とそのための資料の購入の計画について協議した。
|