研究課題
本年度は9月に忠清北道清州・大田市・江原道春川市において調査を行った。大田では大田市郷土史料館、清州では清州百済遺物展示館、春川では翰林大学校博物館・江原大学校博物館・国立春川博物館である。昨年度にひきつづき、発掘調査によって出土した文字瓦を中心にして、その拓本採択・写真撮影・観察を実施した。それ以外に、6月・12月・2〜3月に文字瓦出土遺蹟の調査、および調査予定の博物館等との打合せを行った。写真は、これまで同様、われわれによる記録写真のほか、写真作家で、韓国各地の国立博物館での特別展などの際に遺物・遺跡写真を撮っている呉世允氏に依頼している。採択・観察は、研究協力者として大学院生3名(韓国檀国大学・立命館大学・滋賀県立大学)にも同行してもらい進めた。文字の解読・解釈はわたしと共同研究者の井上直樹で行った。これによって、忠清道方面の調査は、諸機関の知人等の協力もあって、十分に進めることができた。共同研究者の高正龍は、2〜3月に個別に調査を進めた。当面は、このようなデータ集積作業が中心である。ただし現物を通しての調査には限界があり、報告書の図版・釈読などをデジタルデータとして取り込む作業をすすめている。それは主に、アルバイトによる。また、予定していた刻印瓦の研究者を招聘しての研究会は、日程の都合で来年度にのばすことになった。その成果とデータとをあわせて1冊にまとめたい。文字瓦を直接対象にした研究としては、高正龍・吉井秀夫に研究があり、田中・亀田は、文字瓦を歴史資料として利用した研究成果を公刊した。
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和田晴吾先生還暦記念論集 吾々の考古学
ページ: 583-599
古代武器研究 9
ページ: 72-81
朝鮮古代研究 8
ページ: 63-76