研究課題/領域番号 |
17320116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深澤 克己 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60199156)
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研究分担者 |
櫻井 万里子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 名誉教授 (90011329)
河原 温 首都大学, 東京・都市教養学部, 准教授 (70186120)
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 教授 (00186264)
西川 杉子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80324888)
篠原 琢 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20251564)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 西洋史 / 社会史 / 宗教史 / 秘密結社 / 秘教思想 / フリーメイソン / 兄弟団 / 儀礼 |
研究概要 |
本研究は、ヨーロッパ史上に出現した諸団体の多くに通底してみられる宗教的・密儀的な性格の比較分析をとおして、長期的時間の視野のもとに、古代から現代にいたる団体・結社の組織原理および思想潮流の展開過程と系譜関係を解明することを目的として組織された。18世紀に急発展をとげるフリーメイソン団を比較分析の十字路としつつ、古代ギリシア、中世ドイツ・ネーデルラント、近世フランス・イギリス、近代チェコ・アイルランド、現代イタリア史の専門家を結集し、合計6回の研究会を組織して、研究報告と討論を積みかさねた。本研究の独自性は、まず第一に、従来の歴史研究では各々の団体の性格に応じて、宗教史・経済史・政治史などの分野で別個に研究したのに対して、機能を異にする諸団体間の連関・重複・継承関係を重視したこと、第二に、伝統的歴史学の重視する団体の制度的・機能的側面よりも、団体内部の友愛・連帯を支える儀礼的・象徴的側面を強調したこと、第三に、これらの儀礼や象徴に素材を与えた密儀・秘教思想を、従来のように哲学的・思想史的観点のみならず、歴史的・社会的視点からも研究しようとしたことにある。もちろん研究成果には対象により粗密の差があり、全体の整合的連関にも課題を残しており、すべての問題に解答できたわけではないが、今回の成果をもとにさらに共同研究を深めれば、ヨーロッパ文明の根底にある非合理的・神秘的世界観、およびその容器となった兄弟団・友愛結社の役割の解明をつうじて、現代世界の批判的理解と実践的な未来構想の一助となる歴史理解を構築することができると信じている。
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