研究課題
世界規模で興起した環境変動である更新世/完新世移行期は、考古学的には旧石器時代から新石器時代への過渡期に相当する人類史上の最大の画期のひとつである。北海道を中心とする列島北部は、本州以南よりも定住的な居住様式の発達が遅れたため、特異な文化形成の移行プロセスを有している。本研究では、いまだ十分に解明されていないこのプロセスを具体的に明らかにすることを目的としている。研究初年度にあたる平成17年度は、居住形態論の具体的な分析を意図して、10月に3週間、北海道富良野市に所在する東麓郷1遺跡の発掘調査を実施した。同遺跡は、20年前に第1次調査が実施されており、北海道ではほぼ唯一の、移行期段階の土器を有する有舌尖頭器石器群を検出したことで知られているため、その具体的な様相の確認と新たな資料の取得を目的とした発掘調査を行った。当時得られていなかった環境・資源等のデータの取得と、実施されていない年代測定資料の採取等も行った。出土資料と併せて、現在整理・分析中である。またこの遺跡の調査は、来年度以降も継続して実施する予定である。発掘調査とは別に、北海道および周辺地域の資料調査と既存資料の整理や、考古学的・古環境学的データの収集と整理も並行して実施した。
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第7回北アジア調査研究報告会要旨集
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北海道旧石器文化研究 10
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日本の地誌 第1巻 日本総論I(自然編)
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科学 75
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日本の考古学 上巻
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異貌 23
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