研究課題/領域番号 |
17320122
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡村 秀典 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20183246)
|
研究分担者 |
曾布川 寛 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90027558)
藤井 律之 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (50335238)
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90252410)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 助教授 (20183577)
今井 晃樹 奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (60359445)
|
キーワード | 山西省大同市 / 雲岡石窟 / 平城遺跡 / 北魏 / 遼金 / 東亜考古学会 / 方山 / 五胡十六国 |
研究概要 |
中国の山西省大同市に所在する平城遺跡は398年から494年までの北魏の都城址であり、その西郊にある雲岡は460年に開鑿のはじまった石窟寺院である。今年度は京都大学人文科学研究所の前身である東方文化研究所が1938年から1944年にかけて調査し、未発表のまま人文研に保管されていた出土遺物を整理し、その報告書を岡村秀典編『雲岡石窟』遺物篇(朋友書店、2006年2月)として出版した。具体的な成果はその報告書に詳しいが、要点だけを記すと、方山永固陵の年代をもとに雲岡石窟の編年を組み立てたこと、礼拝の対象であった石窟のほかに台上に木造瓦葺きの僧院が建ち並んでいたこと、北魏から遼・金代にいたる雲岡石窟寺の歴史的変遷を明らかにしたこと、石窟以前の新石器・秦漢時代の歴史的景観を示したこと、などが大きな成果である。また、人文研に保管する当時の貴重な写真のうち、ブローニ版のフイルムについてデジタル化した。 それと平行して、東京大学文学部に保管する、1939年に東亜考古学会が大同市の平城遺跡と方山遺跡で収集した未発表の遺物について整理し、人文研の遺物と比較検討した。 さらに、平城に前後する時代、とりわけ五胡十六国時代の〓城や北魏時代の長安・洛陽の遺跡について実地調査し、現地の研究者と意見交換をおこなった。また、〓城の仏教寺院の調査者や山西省の考古学者を招聘して、人文研に保管する遺物、および最新の中国側の調査資料について、意見交換をおこなった。
|