研究課題/領域番号 |
17320122
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡村 秀典 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20183246)
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研究分担者 |
曾布川 寛 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90027558)
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 准教授 (90252410)
藤井 律之 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (50335238)
向井 佑介 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (50452298)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 准教授 (20183577)
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キーワード | 北魏 / 仏教寺院 / 塑像 / 平城 / 方山 / ガンダーラ / 舎利 / 考古学 |
研究概要 |
中国の山西省大同市に所在する平城遺跡は398年から494年までの北魏の都城址で、その北郊にある方山永固陵は481年から484年にかけて造営された文明太后の陵墓とそれに付属する永固堂や思遠仏寺である。昨年度末に刊行した岡村秀典・向井佑介編「北魏方山永固陵の研究」『東方学報』京都第80冊の成果をふまえ、今年度は改めて現地を踏査し、大同市博物館に所蔵する塑像を精査したほか、北魏仏教寺院について雲岡石窟研究院の研究者らと意見交換をおこなった。さらに、方山思遠寺址と同時期と考えられる懐朔鎮仏教寺院址の塑像について、内蒙古自治区包頭市博物館で初歩的な調査をおこない、481年に孝文帝が造営した河北省定州仏塔の舎利石函の出土品についても河北省文物研究所で調査し、それらの内容がガンダーラ仏教寺院址のそれらと類似することを確かめた。こうした成果をふまえ、北魏仏教寺院とその出土文物の源流をさぐるため、人文研に保管するガンダーラのタレリ・メハサンダ両寺院址出土の塑像(ストゥッコ)や石彫類の整理をはじめた。それは人文研の水野清一らが1960年代に発掘し、パキスタン考古局との取り決めによって将来したもので、ガンダーラ彫刻のなかでは数少ない発掘品である。従来のような美術様式の研究だけでなく、出土遺構とあわせた考古学的な分析が可能であることから、今後、本研究を延伸させた本格的な整理をおこなう必要があろう。また、人文研に保管する雲岡石窟調査当時の貴重な写真のうち、ガラス乾板のフイルムについてデジタル化した。
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