研究課題/領域番号 |
17320128
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
林部 均 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (70250371)
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研究分担者 |
松田 真一 奈良県立橿原考古学研究所, 副所長兼附属博物館館長 (60250362)
入倉 徳裕 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (30203342)
今泉 隆雄 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60000501)
山中 章 三重大学, 人文学部, 教授 (40303713)
妹尾 達彦 中央大学, 文学部, 教授 (20163074)
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キーワード | 古代宮都 / 環境問題 / 飛鳥 / 藤原京 / 都市 / 地理情報システム |
研究概要 |
今年度は、研究の初年度にあたるため、これまでの古代宮都の研究を総括しつつ、研究環境の整備と基礎データの収集、試験的な分析を実施した。 本研究では、飛鳥・藤原京の発掘調査成果のデータベース化を意図しているが、今年度は、その中でも藤原京を中心に発掘調査成果を収集した。すでに公表されている調査報告書や概報・図録、そして未発表資料である終了報告などを再点検し、データ入力をおこなった。とくに本研究では環境復元・環境史に視点をおいているので、そういったことも十分に考慮して、発掘調査の概要を詳細にデータ化した。発掘調査件数約500件に対して、約半分の250件が完了した。それにともなう地図データも並行して進めたが、これのデジタル化までには至らなかった。 また、文献史学からの古代宮都の環境史にかかわる史料データベースは六国史を対象として、古代宮都の造営にともない発生した問題、人が都市に集住することによって発生した都市問題・環境問題、自然災害や火事についての史料の抜書き作業を実施し、六国史についてはほぼ完了した。 さらに、国土地理院から航空写真・デジタルマップなどを購入し、データ分析の基礎となる地図の作成をおこなった。そして、GISソフトを使って、どういった成果が得られるのか、これまでの研究を整理するとともに、試験的にそれを使った分析をおこなった。 本年度は基礎データの集積が主体であったので、古代宮都について環境復元・環境史にかかわって何がわかったかということについては、かたちになるような十分な成果はなかったが、考古学、文献史学、地理情報システムといった各分野からの新たな研究への視点の摸索はできたと考える。ただ、それらの研究領域を越えて、いかに共同して研究を進めていくのかという点に大きな課題を残した。とくに地理情報システムの活用方法については、様々な問題点などがあり、考古学・文献史学をはじめとした歴史学とどのようにリンクさせるのかという課題が残った。
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