研究課題/領域番号 |
17320128
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
林部 均 奈良県立橿原考古学研究所, 埋蔵文化財部, 総括研究員 (70250371)
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研究分担者 |
松田 真一 奈良県立橿原考古学研究所, 付属博物館, 副所長兼館長 (60250362)
入倉 徳裕 奈良県立橿原考古学研究所, 埋蔵文化財部, 総括研究員 (30203342)
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キーワード | 藤原京 / 都市問題 / 環境問題 / 古代宮都 / 中国都城 / 地理情報システム |
研究概要 |
本年度は、本科研の最終年度である。そこで、収集したテータの取りまとめと、中国都城の調査に重点をおいて、研究を遂行した。 昨年度までに藤原京の発掘調査にかかわる調査データの集成をおこなった。引き続き、補訂作業をおこない。データベース化の検討をおこなった。しかし、図面などの扱いについて、十分に検討を加えたが適当な方法がみつからず、今後の課題として残った。 文献史学からは、古代における都市問題・災害などの環境問題にかかわる文献史料、「六国史」を中心として、データベース化をおこなった。情報量が膨大となり、公表にあたっての課題を残した。また、検索に必要な項目の設定、文字の校訂作業が残った。 中国都城調査は2009年2月に南京明代都城調査ということで、江蘇省南京市の南京城と安徽省鳳陽の明中都の踏査をおこない、江南の都市遺跡にかかわる資料を集め、華北の都市との比較検討をすすめた。さらに、2009年3月には新疆ウイグル自治区において新疆都城調査ということで、砂漠という環境におかれた都市遣跡を調査した。また、2009年3月には、遼寧省瀋陽市を中心に瀋陽清代都城調査を実施し、東北地区の北方民族が、その環境の中において、どのような都市をつくるのかを検討した。漢民族がつくる都市だけではなく、周辺地区につくられた都市を検討することにより、環境と都市とのかかわりを調査した。そして、これまで典型的な都城といわれる隋唐長安城や洛陽城がいかに特殊なものであるのかを確認した。 地理情報システムの活用や、データの整理、調査成果の活用など、多くの課題を残すことになつたが、古代宮都をとりまく環境問題の視点は明確になったので、このまま、再度、科学研究費の申請をおこない、継続して研究をおこなうことを確認して、ひとまず終了した。
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