研究課題/領域番号 |
17320130
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山根 拓 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (30222376)
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研究分担者 |
中西 僚太郎 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70202215)
岡島 建 国士舘大学, 文学部, 教授 (80242791)
河野 敬一 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (70211894)
川崎 俊郎 福島工業高等専門学校, 准教授 (80290708)
天野 宏司 駿河台大学, 文化情報学部, 講師 (40383294)
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キーワード | 近代日本 / 空間認識 / 公権力 / 地域形成 / 国土形成 / 歴史地理学 |
研究概要 |
今年度は、本研究課題も3年目を迎え、研究の深化および研究成果の具体化が図られた年であった。その中で、主として本研究課題の前に採択された科学研究費研究課題の成果によっているが、本研究課題で引き続き検討された内容も含み、この研究組織の全員が執筆した共編著書である『近代日本の地域形成』(山根・中西共編:海青社刊)が2007年9月に出版された。さらに、年度末の2008年3月29日には、日本地理学会春季学術大会(於.獨協大学)において、シンポジウム「公権力の空間認識と近代日本の国土形成」(オーガナイザー:山根・中西)を開催した。ここでは、本年度の研究代表者ならびに各研究分担者に割り当てられた個別の研究課題に沿って、次のような内容の研究報告が行われた。「近代初期公権力者の空間の経験・認織と国土開発政策の展開」(山根)、「明治政府による北海道農業開拓の構想」(中西)、「明治期における内陸水運政策」(岡島)、「近代期における地方有力者の動向に関する一考察」(河野)、「地方銀行経営者からみた「地方」と銀行合同政策」(川崎)、「「郵便線路図」からみた公権力の空間認織」(天野)、「明治政府の国内石油資源に関する地質調査」(品田光春(研究協力者))(報告順不同)。シンポジウムの各報告は、様々な時期・地域規模・分野において、空間的経験と空間認織に基いて国土・地域の構成を構想した公権力(者)の実熊をいくつかの歴史地理学的方法で解明しており、それは空間が現実化するその前の歴史地理的段階(潜在的な様々の空間形成の可能性)を解明する新しい試みであるといえる。なお、このシンポジウムを実施するに当たって、2007年9月に京都で、また、2008年1月に東京で、それぞれ研究打ち合いわせ集会を開催した。 最終年度となる次年度に向けて、このシンポジウムでの報告内容や、議論された内容を踏まえ、研究成果を公にしてゆく予定である。
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