研究分担者 |
中西 僚太郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70202215)
岡島 建 国士舘大学, 文学部, 教授 (80242791)
河野 敬一 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (70211894)
川崎 俊郎 福島工業高等専門学校, 准教授 (80290708)
天野 宏司 駿河台大学, 文化情報学部, 准教授 (40383294)
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研究概要 |
今年度は,研究代表者・分担者が研究をまとめた研究成果報告書(CD版)を作成した。各人の主たる成果は,2008年3月開催の日本地理学会春季学術大会シンポジウム「公権力の空間認識と近代日本の国土形成」で報告された内容に基づく。研究代表者の山根は当該研究課題の目的と意義を示し,実証研究として,(1)大久保利通の国土空間認識の形成と空間的実践の関係を彼の欧米経験と東北開発計画に関連させて示し,(2)第1回帝国議会の議事内容分析から公権力の空間認識を解明した。(2)については人文地理学会大会(筑波大,2008年11月)で報告した。研究分担者はそれぞれ次のようなテーマで報告した内容を原稿にまとめた。中西は「明治政府による北海道農業開拓の構想」で,政治家とお雇い外国人が描いた北海道の農業開発構想に迫った。岡島は「河川交通政策と近代公権力者」と題し,近代水運政策者の公権力者たちの空間構想や政策を示した。河野は「地方有力者の公権力への関わりとその意義」で,国家権力とは異なる地方有力者の公権力への参画や影響講師について考察した。川崎は「銀行合同政策からみた国土構想」によって,金融政策に関わる政策者と実務者の国土構想上の鬩ぎ合いを明らかにした。天野は「「郵便線路図」による公権力の国土空間の把握について」で,国家権力の国土空間認識の過程を反映する郵便線路図が,地方権力の動向を操作することを示した。研究協力者の品田光春も「明治初期における政府の国内石油資源調査と空間認識」を検討した。これらの論稿を2008年9月と2009年1月の研究打合せ会合(東京)で練り上げ「研究成果報告書」にまとめた。
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