研究概要 |
本研究課題は、國學院大學折口博士記念古代研究所所蔵の折口信夫博士ならびに坪井洋文博士民俗写真のデジタル化とデータベース化を進めながら、民俗画像資料の情報化に関する研究を進めるとともに、民俗学における画像資料の研究活用の有効性を明らかにすること,さらにこれらの過程で民俗画像資料に関する若手研究者の養成を目的としている。 こうした目的を達成するため、平成20年度には連携研究者の須永敬(岐阜市立女子短期大学・准教授)、藤井弘章(近畿大学文芸学部・講師)とともに研究実施計画に従い、次の6点の研究ならびに成果公開活動を行い、成果があがった。(1)坪井民俗写真は5284コマのモノクロネガと100点のカラーポジのデジタル化を行い、研究期間に合計14600コマをデジタル化し、さらに新たに寄贈された坪井の民俗調査ノートのデータベース化を行った。(2)坪井及び折口民俗写真の現地調査は、東京都新島・神津島、沖縄県那覇市・うるま市で行い、撮影地の判明など、新たな知見を得た。(3)これまでの研究成果をもとに坪井民俗写真について「島のくらし50年の変化」と題した写真展示会を東京・國學院大學、岐阜市生涯学習センター、大阪・近畿大学で開催し、研究成果の公開を進めた。また、外部研究者も招聘してのフォーラムを開催し、画像資料の情報化などに関する討論を行い、研究を深化させた。(4)折口民俗写真についても、これまでの成果公開として那覇市で展示会を行い、見学者から撮影地や写っている人物の情報が得られるなど、新たな知見を得た。(5)画像資料のデジタル化や学術雑誌『人類学雑誌』の画像資料利用調査などに大学院生を研究補助者として参加させ、若手研究者の養成を進めることができた。(6)研究成果の公開として成果報告書『画像資料と民俗研究』の刊行を行い、研究論文と坪井民俗写真の目録公開を行うことができた。
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