研究課題/領域番号 |
17320142
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (70178648)
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研究分担者 |
荻原 真子 千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
佐々木 利和 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (80132702)
財部 香枝 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (00421256)
谷本 晃久 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 准教授 (20306525)
加藤 克 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (50321956)
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キーワード | アイヌ民族 / アイヌ文化 / 標本資料 / 博物館 / 北海道大学植物園 / 北海道 / 開拓使 / B.S.ライマン |
研究概要 |
平成19年度には、前年度に引き続き、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・植物園内の博物館に所蔵されているアイヌ文化関係の標本資料(明治初期に開拓使が収集したものが中心)の悉皆調査を中心に調査研究を行い、7月と12月の調査で、それを完了させることができた。その結果、同館所蔵の2500点に及ぶアイヌ文化関連の標本資料全点について調書が作成され、写真が撮影された。また、3年間に及ぶ当科研による調査により、同館以外でも函館市北方民族資料館で600点(総数約2500点の内)、松前城資料館で330点の資料について、熟覧、調書作成、写真撮影を行った。その結果、3年間の調査により、約3560点のアイヌ文化の標本資料を調査した。 本科研での調査研究活動は、標本資料の熟覧、調書作成、写真撮影にとどまらず、当該資料が各博物館、資料館に所蔵され経緯や背景の調査も行った。植物園の資料の収集には明治に北海道開拓指導のためにやってきた「御雇外国人」が関わっていたことから、彼らに関する史料をアメリカの図書館に求めてきたが、本年度も補足調査のために研究分担者2名をアメリカに派遣した。 本科研での調査の結果、北海道大学植物園と松前城資料館についてはほとんど資料についての背景情報が得られ、リストも作成できた。その結果、これらの博物館、資料館の資料は明治から大正にかけての時代に収集されており、それは時代背景が明らかな欧米の博物館に所蔵されているアイヌ資料の収集時期と一致することが判明した。したがって、本科研で調査された資料と、すでに数度にわたる科研による調査によって調書が作成された欧米の博物館に所蔵されているアイヌ資料とを直接比較することが可能になり、それにより、アイヌ文化研究を将来大きく飛躍させるための基礎的なデータが整備された。
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