研究課題/領域番号 |
17330011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 健一郎 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00025157)
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研究分担者 |
村中 孝史 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80210053)
皆川 宏之 千葉大学, 法経学部, 助教授 (50375606)
高畠 淳子 京都産業大学, 法学部, 講師 (50351268)
稲森 公嘉 京都大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (20346042)
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キーワード | 労働災害 / 労災補償 / 労災保険 / 労働者概念 / 通勤災害 / ドイツ・フランス・オーストリア |
研究概要 |
今年度は比較法研究のための基礎調査ということで、外国訪問調査、関連文献の収集等により、ヨーロッパ諸国の労災補償法制の現況ならびに動向の把握に努めた。 まず、外国訪問調査では、稲森が11月13日から21日まで、フランスの労災補償制度の調査にフランス共和国へ赴き、パリの社会連帯省で開催された社会保障制度60周年記念シンポジウムに参加してパリ第2大学のプレト教授による労災補償法制に関する報告や同じくパリ第2大学のボルゲット教授らによる戦後のフランス社会保障制度史に関する諸報告を聞き、また資料収集を行った。 次いで西村が12月15日から20日まで、ドイツの労災補償制度の調査にドイツ連邦共和国へ赴き、マックス・プランク国際社会保障法研究所前所長のマイデル教授からドイツ労災保険の現況、ドイツ労災保険の自治、財政調整について、労災保険中央会のヤコブ研究員から事業主の労災認定、事業主が労災保険料を滞納した場合の取扱い、アスベスト被害の補償等について、ミュンスター大学のシュタインマイヤー教授からドイツの労災保険改革について、それぞれヒアリングを行い、また資料収集を行った。 また、ドイツの労災保険法コンメンタールをはじめとして、フランス、ドイツ、オーストリアを中心に、ヨーロッパの労働法及び社会保障法関係の文献等の収集を進めた。 研究会は3回開催した。まず11月23日に同志社大学寒梅館6階会議室にて開催し、西村が「ドイツの労災補償制度」について報告した。次いで12月17日には京都大学旧工学部4号館3階法科第7演習室にて開催し、皆川が「ドイツの労働者概念」について報告した。最後に2月5日に同志社大学博遠館1階会議室にて開催し、日本の労災補償制度の諸課題について討論した。 わが国の労災補償法の重要課題の検討に関しては、以上の研究会等の場で議論したほか、稲森が九州や東京での社会保障法関係の研究会に参加してリハビリテーションに関する報告をした。
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