研究課題/領域番号 |
17330012
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中窪 裕也 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (90134436)
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研究分担者 |
野田 進 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (90144419)
吾郷 眞一 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (50114202)
中内 哲 熊本大学, 法学部, 准教授 (70295856)
柳澤 武 名城大学, 法学部, 専任講師 (70363306)
矢野 昌浩 琉球大学, 法文学部, 教授 (50253943)
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キーワード | 雇用保険 / 失業保険 / 雇用政策 / 国際比較 / 労働法 / 社会保険 / セーフティネット / 失業 |
研究概要 |
平成19年度の研究実績は、次の3点にまとめられる。第1に、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、中国の失業保険制度について、諸文献を通じて情報の補充やアップデートを行った。たとえば、フランスについて、職業紹介と失業給付の窓口が全く異なるという従来の方式に対して、試験的ながら両者を統合する試みが今年から始まるなど、注目すべき動きが見られる。それらをフォローするとともに、アメリカについては追加的な現地調査を行ない研究を深めた。その際、昨年度と同様に、労働者にとってのセーフティネットとして失業保険と密接な関連を有する最低賃金についても、あわせて研究を行った。 第2に、このような比較法的研究を基礎に、日本の制度に関する体系的な検討を行った。その成果を、平成19年10月に立命館大学で開催された日本労働法学会第114回大会で、研究分担者4名(中内、柳澤、矢野、丸谷)と、研究協力者である九州大学の山下昇准教授が報告し、議論を行った。司会は中窪と野田が担当し、冒頭に中窪からシンポジウムの趣旨と構成について紹介を行った。これらの報告とシンポジウムの内容は、本年5月刊行予定の日本労働法学会誌に掲載されるが、ワーキングプアの問題が注目を集める中でタイムリーな企画であったとともに、労働法学のなかでも比較的地味な分野に光を当てる役割を果たしたものと考える。 第3に、日本の雇用保険制度の実態についても、地理的環境や歴史・産業構造等から独自の問題を有する沖縄県の公共職業安定所を訪問し、労働市場における雇用保険の役割についての検討を行った。これは、第2の部分で書いた学会報告での提言を、もう一度、雇用保険の現場に照らして検証するという性格も有している。 これらをもとに最終的なまとめの議論を行った。
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