児童虐待への法的介入

2005 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17330015
• 研究機関: 上智大学
• 研究代表者: 岩瀬 徹 上智大学, 法学研究科, 教授 (80384155)
• 研究分担者: 町野 朔 上智大学, 法学研究科, 教授 (60053691) ; 山本 輝之 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00182634) ; 中谷 陽二 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30164221) ; 柑本 美和 国立精神神経センター, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 研究員 (30365689) ; 東 雪見 成蹊大学, 法学部, 講師 (80366921)
• キーワード: 児童虐待 / 刑事法学 / 社会福祉関係 / 社会医学 / 教育

研究概要

平成17年度は、わが国における児童虐待についての具体的な問題点を総合的に抽出し、毎月1回、刑事司法(裁判所・警察・都道府県等)関係者、医療施設関係者、法学者等が集まる研究会を開催した。それぞれの立場から意見が聴取され、様々な角度から議論が展開された。各報告者は、プライバシー等について十分に留意しながら、事例等の情報を収集、分析し、それぞれの局面にどのような問題があったのかを検討した。具体的には、厚生労働省の方による「児童虐待対策の概要及び今後の取組方針と課題について」の報告、警察庁少年課の方による「警察における児童虐待対策〜特に児童相談所との連携、刑事事件としての捜査等に関して」の報告、児童相談所の方による「児童相談所の現状と課題-虐待対応を中心に-」の報告等である。
また、国内外の児童虐待への対応について現地調査を行った。2005年9月6日〜10日に韓国・ソウルを訪れ、家庭裁判所、ソウル家庭委託支援センター等を見学した。特に、中央児童虐待予防センターでは、「韓日児童虐待予防セミナー」が開催された。韓国でも児童福祉法が2002年に改正され、議論がなお活発になされていた。2006年2月26日〜3月4日には、アメリカ・サンフランシスコを訪れた。Child Protection Center, Child Abuse Sexual Abuse Resource Cr, Child Abuse Council, Man Alive Class等を見学し、その法システムやTeamを作って虐待に対応している点等を紹介してもらった。国内では、全国に2箇所しかない私立の児童自立支援施設である北海道家庭学校の他、大阪の中央子ども家庭センター、大阪府立修徳学院を訪問した。