研究分担者 |
石井 彦壽 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10374878)
吉原 和志 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10143348)
坂田 宏 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40215637)
小粥 太郎 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40247200)
菱田 雄郷 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90292812)
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研究概要 |
債権回収に関連する諸法令が現実の債権回収過程にいかなるインパクトを与えているかを検証する,というのが本研究の目標であるが,本年度は,そのための準備作業として,まず,邦語文献を包括的に収集しつつ,変動の著しい関係法令を正確に理解するという作業を行った。その成果の一部が後掲論文である。坂田(1)では,債権者代位権に関する訴訟法上の論点について,特に第三債務者の二重応訴の負担と,債務者への手続保障の必要性とを調整するという観点から検討されている。小粥(1)では,債権者平等の原則との関係で,本旨弁済が詐害行為となるか否かが検討されており,また,坂田(2)では,特に詐害行為取消権を行使する債権者と受益者の一般債権者との関係に焦点をあてての詳細な分析が試みられている。小粥(2)は,平成15年の担保・執行法制の改正を念頭におきつつ,抵当権者による競売以外の方法による回収手段を多角的に分析するものであり,特に根抵当権譲渡による債権回収の重要性について注意を喚起している。なお,法状況を深く把握するためには,判例を正確に位置づけるという作業も不可欠であるが,坂田,小粥(3),菱田(1)(2)では,民事執行法・民事保全法に関する重要判例について,近時の動向を踏まえた分析がなされている。 以上の作業に加えて,本年度には,債権回収に関する実務の動向を探るという作業にも着手し,その一環として,2006年3月には,仙台地方裁判所の信濃孝一判事を招き,仙台地裁における倒産実務について講演して頂いた。その成果を公表する段階には至っていないが,次年度も債権回収実務に関する情報収集作業は継続して行う予定である。
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