研究課題
これまで、債権回収に関連する諸法令が、実際の債権回収にいかなるインパクトを与えているかの検証作業として、関係法令および裁判例の変遷を中心に、研究会での検討作業を継続的に行い活発な議論が展開された。なお、検討の過程にあり、分野横断的な検討で問題領域をつぶしながら作業を進めており、まとまった成果につなげていく予定である。本年は、とりわけ危機時における債権回収、倒産時における対応などにも留意して検討を加えた。研究分担者の一人が海外渡航のため、新たに倒産法の専門家を加えて、検討を継続している。債権者による責任財産のモニタリング・コストという観点からの制度設計が焦点になりつつある。その成果の一部は、後掲論文として結実している。河上は、近似の裁判例について、融資段階、債権管理段階、回収段階ごとに、下級審裁判例も視野に入れて、包括的に整理した論文や、物権法の一般理論を財産に対する支配の観点から財産権の帰属を巡って理論的に分析するもので、債権との対比における支配のあり方に反省をせまった論文を執筆した。なお、民法の基本的な枠組みにさかのぼって、財産権・債権の意義を論じた図書を発行した。小粥は、座談会形式で担保不動産収益執行の実務上の問題点を論じた論文や、債権回収の意義・不動産執行の前提問題などを幅広く扱って多くの問題を提起しつつ現状を分析した論文を執筆した。坂田は、手形・小切手訴訟の局面での債権回収上の重要問題を包括的に扱った論文を執筆した。
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新民事執行実務 6号
ページ: 33-96
金融法務事情 17
ページ: 15-17
民法の争点(ジュリスト増刊)
ページ: 166-169
ページ: 103-104