研究課題
基盤研究(B)
本研究は、多様化した我が国の企業結合実務の実態を調査するとともに、近時の諸外国における企業結合法制の検討を通じて、我が国の企業結合法制にかかる理論的基礎とそれに基づく立法論的研究を目的とするものである。平成17年の会社法制定に伴う企業組織再編制度の合理化により、企業組織再編を円滑に行うことが可能となったが、株主総会の特別決議を要しない簡易化された手続の拡充や対価の柔軟化・全株取得条項付種類株式による株主の締出し等の株主の利益保護にかかる問題点が指摘されている。また、敵対的買収の増加に対応して、平成18年には大量保有報告書規制および公開買付規制が改正された。このような状況の下で、平成17年度には、主として公開買付け規制について調査し、平成18年度には、企業結合実体法にも対象を広げた。我が国における株主の利益保護において重要な位置を占めてきた株主平等原則については、会社法に明文規定が設けられたことに伴って解釈に混乱が生じ、関係者の利害調整機能を精緻な解釈論により回復することが喫緊の課題であることがブルドックソース事件の分析により明らかとなった。また、改正された公開買付規制は、大幅に企業結合実体規整たる性格をも有するようになり、会社法と金融商品取引法の体系整合性の確保が必要である。米英の企業買収規制の比較からは、規制設計においては、規制内容のみならず、エンフォースメントの基盤となる社会的背景にも目を向けるべきことが分かる。EUにおいては、議論の進展にもかかわらず、実際の立法は様々な分野に散在するに止まっており、企業結合運営規制はその必要性も含め、なお議論の多い分野であるといえる。なお、研究代表者森本滋は、平成20年度日本私法学会において、シンポジウム「企業結合法の総合的研究」の代表者を務める予定であり、研究分担者の一部および研究協力者とともにさらなる調査および検討を行っている。
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すべて 雑誌論文 (18件)
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